次バージョンのMySQL 5.7はさらに性能を2倍へ、「オラクルはMySQLを殺そうとしている」は真実ではない~MySQL Connect 2013

2013年9月30日

米オラクルが主催するMySQLのイベント「MySQL Connect」が9月21日から23日まで、サンフランシスコで開催されました。このイベントでは毎回「The State of The Dolphin」(イルカの最新状況、つまりイルカをマスコットキャラクターにしているMySQLの最新情報)と呼ばれる基調講演が恒例になっていて、MySQLの最新情報が解説されています。

今年も行われた「The State of The Dolphin」の内容を、ダイジェストで紹介しましょう。

The State of The Dolphin

米オラクル、Chief Corporate Architect、Edward Screven氏。

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最初に言いたいのは、オラクルは、MySQLについてオラクルのほかの製品と同様に重要だと考えていること。

製品をよくするだけでなく、高いクオリティを維持していく。多くの投資を行い、QAチームを3倍にもした。それが顧客が求めていることだからだ。

最新のMySQL 5.6は、コミュニティからこれまででもっとも優れたバージョンとなったと言われている、そのことに感謝している。開発チームもこれまでのMySQLの歴史の中で最大だ。

多くの人が「オラクルはMySQLを殺そうとしている」と言うが、実際はその逆こそ真実だ。あらゆるレベルのスタックでベストな製品を提供しようとするとOracle Databaseだけでは実現できない。MySQLはわれわれの戦略に必要なのだ。

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ネットには多くのモバイルデバイスが接続されるようになった。インターネットはリアルワールドに密接に繋がるようになり、さまざまなデータがそこから生成されるようになった。

そのWebアプリケーションのためのデータベースにはMySQLが優れている。小さく、開発しやすいためだ。MySQLはオープンソースデータベースの先頭を走っており、次世代のWebやクラウドアプリケーションのプラットフォームである。

2月に最新バージョンのMySQL 5.6リリース

米オラクル、VP of MySQL Engineering、Tomas Ulin氏。

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私はMySQLのチームに在籍して10年になり、これまでずっとその進化を見続けてきた。そしてつねにこのチームが優れた製品を出し続けてきたことをみなさんには信じていただいていると思う。

ここ数カ月の最近の発表について振り返ってみよう。

今年の2月にはMySQL 5.6正式版をリリースした。性能、データベースエンジン、オプティマイザ、レプリケーションなど全体にわたって多くの改良を行った。

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MySQL 5.6は性能が大幅に向上し、大きくハードウェア性能を引き出せるようになった。この新バージョンは迅速に導入が進んでいる。

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MySQL 5.7でさらに性能を2倍にしていく

そして次バージョンのMySQL 5.7のDMRがすでにアナウンスされている(DMRはDevelopment Milestone Releaseの略。次期バージョンで実装を予定している機能を組み込んでいく開発版)。

これから次バージョンに向けてさまざまなことを固めていくことになる。

最新の5.7 DMRには次のような新機能が含まれる。ダウンロードして評価してみていただきたい。

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5.7でも引き続き性能向上には努めていく、5.5と5.6では性能を2倍にしたが、5.7ではさらに2倍にしていく。

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また、多くのWebアプリケーションではコネクションの接続、解放を繰り返すため、どれだけ早くコネクションを張れるが重要となる。この改善はFacebookによって行われたものだ。

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オプティマイザーも改善された。問題のあるクエリの内部でなにが起きているのか、Explainで情報が得られる。JSONで出力も可能になり、よりオプティマイズしやすくなる。

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あらゆることをオンラインで実現し高可用性へ

InnoDBはさらに可用性の面で、オンラインでのAlter Tableを改善するなどし、あらゆることをオンラインでできるようにしていく。

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一時テーブルも改善する。一時テーブルの利用や作成について、古いMyISAM時代ののレガシーが残っている部分を捨て去って改善していく。

レプリケーション機能は多くの顧客が利用しており、スケールアウトのために重要な機能だ。これも大きく性能向上をする。現在でも多くの顧客にとって十分だが、さらに一貫性の向上などをしていく。作業はまだ始まったばかりだ。

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まだDMR以前の段階だがMulti-Source Replicationを開発中で、複数のサーバからのソースを1つのスレーブにレプリケーションしていく機能。多くの要望が寄せられているのでチャレンジしているところだ。

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MySQL Cluster 7.3もリリース

MySQL Cluster 7.3も6月にリリースされた。Auto-Sharding、インメモリによる高速化、外部キーサポートなど。

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オートインストーラーで非常に簡単に導入できるようになった。 オートインストーラーは自動的にノードを発見し、ワークロードを最適化してくれる。

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MySQL Connect 2013

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タグ : MySQL , Oracle , リレーショナルデータベース



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