[速報]Googleが「Google Compute Engine」発表! IaaS型クラウドでAmazonクラウド対抗へ。Google I/O 2012

2012年6月29日

Googleは現在サンフランシスコで開催中のイベント「Google I/O」において、IaaS型クラウドの「Google Comute Engine」を発表しました。

これまでGoogleはクラウド上でPythonやJavaを実行できる「Google App Engine」を提供してきましたが、新しい「Google Compute Engine」はLinux仮想マシンをオンデマンドで提供するIaaS型のクラウドです。ストレージサービスとなる「Google Cloud Storage」も発表されました。

Google I/OでのGoogle Compute Engine発表

GoogleのSVP Technical Infrastructure、Urs Hölzle氏。

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Googleは世界でもっともスケーラブルで信頼性の高いデータセンターやそれらをつなぐネットワークを構築してきた企業の1つだ。

2008年、私たちはGoogle App Engineの提供を開始した。その後多くのユーザーから「仮想マシンをオンデマンドで使いたい」という要望が寄せられた。性能が良くスケーラブルで安価で、まるで社内で使っているように使いたいと。

そこで本日、「Google Compute Engine」を発表する。

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IaaS型クラウドとして、高性能で高いスケーラビリティを実現する。GoogleスケールでLinux仮想マシンを提供し、例えば1万サーバでも使えるようになる。ストレージのオプションも用意し、サーバ間のクラスタネットワークも構築できる。

高いスケーラビリティと性能だけでなく、ベストプライスを提供する。我々は何年にもわたって低コストで高性能を追求してきたのだ。

現在、Google Compute Engineはリミテッドプレビューの段階だ。

βユーザーでは、がんの薬を研究するための60万コアを使った計算も実際に行っている。

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これをどう使うかは、あなた次第だ。

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UbuntuかCentOSを選択でき、1時間0.145ドルから

Google Compute Engine

Google Compute Engineの価格や機能については、すでにWebサイトで公開されています。

仮想マシンのOSとしてUbuntuかCentOSのいずれかが選択可能。インスタンスの大きさは、仮想コアの数に応じて1、2、4、8仮想コアがあり、仮想マシンにはローカルストレージが含まれています。

ストレージはパーシステントディスクを選択すると高信頼性のためにデータが複数のディスクへ書き込まれ、スナップショット機能なども提供されます。

複数のサーバ間をクローズドなネットワークとして接続したり、外部IPアドレスを設定することも可能。

料金は最小構成の仮想1コアで3.75GBメモリ、420GBディスクで1時間あたり0.145ドルと設定されています。

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料金表にあるGCEUとは「Google Compute Engine Unit」のことで、1GCEUは業界標準のベンチマークによるインスタンスの能力だと説明されています(AmazonクラウドのECUのことを示唆しているように思いますが、正確なところは分かりません)。

Amazon S3に相当するオブジェクトストレージの「Google Cloud Storage」も同時に発表されています。

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クラウドでのパートナーシップも展開

ブログ「Official Google Enterprise Blog: Google Compute Engine: Computing without limits」によると、同時にパートナーシップも発表されました。

At launch, we have worked with a number of partners - such as RightScale, Puppet Labs, OpsCode, Numerate, Cliqr and MapR - to integrate their products with Google Compute Engine. These partners offer management services that make it easy for you to move your applications to the cloud and between different cloud environments.

ローンチにおいて、いくつかのパートナーとも協業する。RightScale、Puppet Labs、OpsCode、Numerate、Cliqr、そしてMapR。これらの企業は、その製品とGoogle Compute Engineのインテグレートを行っていく。

パートナーはアプリケーションをクラウドや複数の異なるクラウド環境へあなたのアプリケーションを容易に移植できるよにしてくれるだろう。

RightScaleやPuppet Labs、OpsCode、それにMapRなど、楽しみな名前が並んでいます。

マイクロソフトも今月、Windows AzureにIaaS型クラウドの機能を追加したばかり。そして今回のGoogleの発表で、世界最大級のクラウド企業がIaaS型クラウド市場で激突することになります。クラウドはこれまで以上に競争の激しい分野となってきました。

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今月8日に行われたマイクロソフトによるIaaS型クラウドの発表。

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