オラクルはクラウド戦略の中でなぜメインフレームのようなマシンに注力しているのか?

2010年12月17日

クラウドのインフラストラクチャといえば、安価なコモディティサーバをネットワークによって結んだ分散処理型のアーキテクチャが主流です。Amazonクラウドしかり、グーグルしかり、Windows Azureもしかりです。

しかしそれに逆らうように、まるでメインフレームのようなマシン「Exadata」や「Exalogic Cloud」を発表し、それを「クラウド・イン・ア・ボックス」と名付けてクラウドのインフラストラクチャとして位置づけているのがオラクル(ちなみに日経コンピュータではオラクルの垂直統合を「オープンメインフレーム」と呼んでいます)。

そのオラクルが12月16日、クラウド戦略について記者向けの説明会を日本オラクルのオフィスで行いました。説明を行ったのは、米本社のプロダクトマーケティング担当グループ バイスプレジデントのロバート・シンプ氏。

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オラクルは、コモディティサーバでコスト削減できると考えていない

なぜオラクルはメインフレームのようなマシンにこだわっているのでしょうか? その疑問をシンプ氏にぶつけてみました。

新野 Amazonクラウドを見ても、企業が構築しているプライベートクラウドを見ても、クラウドアーキテクチャの主流は、IAサーバ、コモディティサーバによる分散処理になっています。しかし、オラクルは違う方向へ進んでいますね? ExadataやExalogicは、SPARCプロセッサを搭載し、全体が統合されたサーバです。なぜこのような方向性を選んでいるのでしょうか?

シンプ氏 クラウドではソフトウェアはハードウェアスタックから切り離すことができます。ならば私たちはそのソフトウェアを高性能なハードウェアで動かした方が、よりコストが安く、効果的だと考えているのです。

例えば、Exalogicは2台で、リクエスト回数だけならFacebookのトラフィックに対応できる性能を備えています。多数のIAサーバを管理するよりもずっと低コストです(Facebook並のトラフィックを処理できるというたとえ話は、9月にExalogicが発表されたときにエリソン氏が説明に使ったフレーズと同じ)。

新野 多くの人は、IAサーバにすることでシステムのコストが安くなると考えていますが、オラクルはそうではないと考えている、というわけですね。

シンプ氏 そうです。多数のサーバを抱えることで、電気代、床面積、管理の手間などがかかるため、かえってコストが高くつくのです。多くの企業が、これからそのことに気づくでしょう。

既存のクラウド企業とは相容れない意見

コモディティサーバの集合体によるクラウドよりも、統合された高性能システムの方がトータルコストが安くなる。オラクルが「クラウド・イン・ア・ボックス」と呼ぶメインフレームのようなマシンにこだわっている理由を明確に聞くことができました。

そしてこれは冒頭で紹介したように、Amazonクラウド、グーグル、マイクロソフト、それにセールスフォースなど、いまクラウドをリードしている企業の意見とは相容れないものでしょう(マーク・ベニオフ氏などは「間違ったクラウドに気をつけろ!」とまで言っています)。

こうした多様なシステムやサービスがどのように競合し、あるいは共存していくのでしょうか。数年後、その答えが出ているかもしれません。

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タグ : Oracle , クラウド , システム運用



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