マイクロソフトが戦略変更。HTML5が唯一のクロスプラットフォーム、SilverlightはWindows Phone 7のプラットフォームに

2010年11月1日

「私たちの戦略をシフトした」と、マイクロソフトのサーバー&ツール ビジネス担当 プレジデントのボブ・マグリア氏が、ブログAll About Microsoftのエントリ「Microsoft: Our strategy with Silverlight has shifted」のインタビューで語っています。

Microsoft: Our strategy with Silverlight has shifted | ZDNet

新たな戦略では、SilverlightはWindows Phone 7のアプリケーション開発プラットフォームとなり、HTML5がiPhoneなどモバイルも含むクロスプラットフォームに位置づけられると説明しています。

Publickeyでは以前から「iPhone OSのFlash排除で、HTML5/JavaScriptだけがマルチプラットフォーム対応として残った」と、HTML5が唯一のクロスプラットフォームとなり、マイクロソフトのSilverlightやアドビスシテムズのFlashが目指しているクロスプラットフォームは戦略転換を迫られ、いずれ両社ともHTML5に本気で取り組まざるを得なくなる、と予想していました。

その詳細については記事「「記事には書けなかったHTML5の話」を話してきました(後編)」でも書いていますが、その予想通りになろうとしています。

HTMLがiOSを含む唯一本当のクロスプラットフォーム

fig 先週行われた、PDC10で講演するボブ・マグリア氏

エントリ「Microsoft: Our strategy with Silverlight has shifted」から、もっともポイントとなる3パラグラフを引用します。

“Silverlight is our development platform for Windows Phone,” he said. Silverlight also has some “sweet spots” in media and line-of-business applications, he said.

「SilverlightはWindows Phoneのための開発プラットフォームだ」と彼(マグリア氏)は言う。Silverlightはメディアや業務アプリケーションにおけるいくつかの「得意分野」も持ち続ける。

But when it comes to touting Silverlight as Microsoft’s vehicle for delivering a cross-platform runtime, “our strategy has shifted,” Muglia told me.

しかし、Silverlightがマイクロソフトのクロスプラットフォームのためのものであるといっていた時期から「私たちの戦略をシフトした」というべき時がきた、とマグリア氏。

Silverlight will continue to be a cross-platform solution, working on a variety of operating system/browser platforms, going forward, he said. “But HTML is the only true cross platform solution for everything, including (Apple’s) iOS platform,” Muglia said.

Silverlightはクロスプラットフォームソリューションであり続ける、これからも多くのOSやブラウザに対応していく。「しかし、すべてにとってHTMLが唯一本当のクロスプラットフォームだ。それにはiOSプラットフォームも含む」

またマグリア氏はSilverlightの今後のバージョンアップのペースがゆるやかになるだろうということにも触れていました。

IE9や開発ツールの位置づけにも変化が起きるだろう

これは、先週行われたマイクロソフトのイベント「PDC10」で、IE9とHTML5の説明には力が入ったのに対し、Silverlightへの言及が少なかったことについて、All About MicrosoftのブロガーMary Jo Foley氏がマグリア氏に質問したことで引き出された内容でした。

たしかに、「[速報]マイクロソフト、Windows AzureのVM Role発表、FacebookやYahoo! IDでも認証可能に。PDC10」でお伝えしたように、PDC10では最初の話題としてIE9とHTML5が登場しましたが、SilverlightはWindows Phone 7の紹介の中で出てきただけでした。

昨年のPDC09の記事「[速報]Internet Explorer 9初披露、HTML5対応、DirectXで描画。Silverlight 4は今日からβ公開」では、IE9より時間をかけてSilverlight 4を紹介していたのですから、大きな違いです。

そしてこの戦略の変化はこれからマイクロソフトの中でIE9とHTML/CSSレンダリングエンジン、JavaScriptエンジンの重要性がより高まることを意味し、同時に開発ツールのHTML/CSS/JavaScript対応にも変化が生じてくることが十分予想されます。

つまり、Web開発ツールでトップを走るアドビシステムズと真正面から競合することになるのでしょう。

アドビも同じ戦略へ向いている

そのアドビシステムズもマイクロソフトのPDC10のわずか3日前にAdobe MAXを開催。実はAdobe MAXでもクロスプラットフォームの主役としてHTML5が登場し、Flashは主にセットトップボックスやモバイルデバイスなどのプラットフォームとして紹介されています。

次の記事「HTML5への傾倒が進むアドビ」ではAdobe MAXを振り返りつつ、そのことについて書いてみましょう。

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タグ : HTML5 , Microsoft , Silverlight , Webブラウザ , Web標準



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