JavaにJavaScriptエンジン「V8」とPythonランタイム「CPython」を組み込む「Project Detroit」、オラクルが発表

2026年3月18日

オラクルは、カリフォルニア州レッドウッドシティで開幕したイベント「JavaOne 2026」で、「Project Detroit」(以下、Detroit)をOpenJDKのプロジェクトプロポーザル(プロジェクト提案)として発表しました。

fig

DetroitはJavaにJavaScriptエンジンの「V8」とPythonランタイムの「CPython」を組み込むことで、JavaとJavaScript、Pythonの相互運用性を高めることを目的としています。

fig
figDetrotの概要について、オラクル提供の資料から一部を引用

Detroitは、JavaにJavaScriptのスクリプトエンジンを組み込む目的で2018年にプロジェクトが始まったものの実装に至らず、2019年に中止となっていました。

それが今回、JavaもしくはJavaVM言語と他言語との相互運用性へのニーズが高まってきたことを背景に、JavaScriptとPythonをサポートするプロジェクトとして再開が提案されることになりました。

V8とCPythonのソースコードを組み込む

Detroitの実装はJavaScriptエンジンのV8のソースコードと、PythonのC言語によるリファレンス実装であるCPythonのソースコードをJavaに組み込むことを想定していると説明されています。

これによりJavaScriptおよびPythonの言語の互換性を完全に保てると同時に、各ランタイムのソースコードのメンテナンスはそれぞれのコミュニティに任せることができます。

また、Javaとそれぞれのランタイムはヒープ実行を分離することでセキュリティを確保しつつ、JavaのScriptEngineAPIでそれぞれの言語を利用可能にする予定です。

将来的にはJavaScriptとPython以外の言語にも対応を広げる可能性があるとしています。

Javaと他言語の相互運用によるメリットとは

JavaScriptは非常に多くの優れたWebアプリケーションのUIフレームワークが多数存在します。JavaのバックエンドとJavaScriptのUIフレームワークとの組み合わせが容易になれば、開発者の生産性向上に役立つはずです。

一方Pythonには多数のAIや機械学習のフレームワークやライブラリが存在するため、Javaとこれらの機能との相互運用性が高まれば、JavaからさまざまなAIや機械学習の機能の呼び出しが容易になるでしょう。

こうしたJavaと複数のプログラミング言語の相互運用性に関しては、以前は多言語対応の実行環境を提供するGraalVMに期待されていたものでした。

しかしGraalVMは2025年9月にJava以外の言語のランタイムに注力し、Javaのバージョンアップには必ずしも追随しない方針を発表しています。

参考:GraalVMは今後Javaとは独立してバージョンアップへ。Java以外のPythonやJavaScriptに注力する方針を発表

Javaによる他言語との相互運用性を目指すDetroitの再始動には、こうしたGraalVMの方針変更が影響していたと言えそうです。

あわせて読みたい

Java JavaScript プログラミング言語 Oracle Python




タグクラウド

クラウド
AWS / Azure / Google Cloud
クラウドネイティブ / サーバレス
クラウドのシェア / クラウドの障害

コンテナ型仮想化

プログラミング言語
JavaScript / Java / .NET
WebAssembly / Web標準
開発ツール / テスト・品質

アジャイル開発 / スクラム / DevOps

データベース / 機械学習・AI
RDB / NoSQL

ネットワーク / セキュリティ
HTTP / QUIC

OS / Windows / Linux / 仮想化
サーバ / ストレージ / ハードウェア

ITエンジニアの給与・年収 / 働き方

殿堂入り / おもしろ / 編集後記

全てのタグを見る

Blogger in Chief

photo of jniino

Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
詳しいプロフィール

Publickeyの新着情報をチェックしませんか?
Twitterで : @Publickey
Facebookで : Publickeyのページ
RSSリーダーで : Feed

最新記事10本