Visual Studio Codeが本体にAI関連機能を組み込みへ、「オープンソースのAIエディタ」になると表明

2025年5月26日

Visual Studio Code(VS Code)の開発チームは、今後VS Code本体にAI関連機能を組み込んでいき、VS Codeのあらゆる機能面でAIの組み込みを容易にしていくことで、VS Codeを「オープンソースのAIエディタ」にしていく方向性を明らかにしました

VS Codeはオープンソースとして開発されてきたコードエディタとして知られていますが、VS CodeにAI関連機能を組み込むための代表的な拡張機能である「GitHub Copilot Chat」はクローズドソースでした。

このGitHub Copilot Chatをオープンソースとし、VS Code本体にリファクタリングしたうえで組み込むことがVS CodeのAIエディター化の第一歩になると説明されています。

そしてVS Codeへのコントリビュートと同様に、VS Codeに組み込まれたAI関連機能へのコントリビュートも容易にするとのことです。

AIエディタへとVSCodeが舵を切る背景

VS CodeをオープンソースのAIエディタにするという宣言の背景として、いくつかの理由が説明されています。

もっとも大きな理由は、AIを活用することがコードを書くツールの中核になってきたことです。

その他にも以下の理由が挙げられています。

  • AIの基盤となる大規模言語モデルの改善が大幅に進んだことでツールの差別化要因としての独自のプロンプト技術の重要性が薄れてきたこと
  • AIを用いる際の一般的なUXが共通化されてきたこと
  • オープンソースのAIツールとVS Code拡張機能のエコシステムが登場してきたことで多くの拡張機能の開発者がAIを用いた拡張機能のビルドやテストを容易にしたいと考えるようになってきたこと、
  • AIエディターが収集するデータの透明性の向上が高まってきていること
  • AIツールが攻撃者の標的になろうとしており、セキュリティの問題がコミュニティによって迅速に発見、修正されることが期待されること

VS Codeに追いかけられるCursorやWindsurf

VS Codeは非常に人気のあるコードエディタであり、その本体にAI関連機能が組み込まれることは多くのユーザーにとって望ましい方向性でしょう。

一方で、いまAIエディタとして脚光を浴びつつあるCursorやWindsurfは、VS Codeをフォークして独自のAI機能を組み込んだものです。VS Code本体にAI関連機能が組み込まれていくという方向性は、これらの製品にとってVS Codeが明確な競合になることを意味するでしょう。

オープンソースのAIエディタという方向性を明確にしたVS Codeの進化だけでなく、競合としてのVS Codeに追いかけられる立場となったCursorやWindsurfがこれからどのような進化を目指すのかも今後の注目点となるでしょう。

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Junichi Niino(jniino)
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