Google Cloud、Rust言語に対応した「Rust SDK for Google Cloud」正式リリース
Google Cloudは、Rust言語でGoogle CloudのさまざまなサービスやAPIにアクセスできるソフトウェア開発ツールキット「Rust SDK for Google Cloud」の正式リリースを発表しました。

米国政府がメモリ安全のためRust言語などの使用を呼びかけ
Rust言語はもともとMozillaが開発し、コミュニティベースで開発が進められてきた、C言語のように低レベルのシステム開発向けに作られたオープンソースのプログラミング言語です。
不正なメモリ領域を指すポインターなどを許容しない安全なメモリ管理や、マルチスレッド実行においてデータ競合を排除した高い並列性を実現している点などの特長を備えているため、安全かつ高速なアプリケーション開発を実現します。
こうした優れた特徴から、最近ではRust言語の人気は高まってきており、また昨年(2024年)2月には、米国政府がサイバー空間における攻撃対象領域を積極的に削減する目的で、RustやJava、Python、C#、Goなどを始めとするメモリ安全なプログラミング言語の利用を積極的に呼びかけたことも、Rustの普及を後押ししています。
参考:米ホワイトハウス「将来のソフトウェアはメモリ安全になるべき」と声明発表。ソフトウェアコミュニティに呼びかけ
これまでは非公式なRust SDKしかなかった
こうした中で、これまでRust言語を用いてGoogle CloudのサービスやAPIを呼び出すためには非公式のRust SDKを使わざるを得ず、メンテナンスが難しくなったり、安全性が低下したり、機能が欠けていたりしていました。
今回、Google Cloudが公式なRust SDKをリリースしたことで、今後は安心してRust言語を用いたGoogle Cloudのアプリケーションが開発できるようになります。
すでにGoogle CloudのSDKはJava、C++、Python、Node.js、Ruby、Go、.NET、PHP、ABAPなどの言語で用意されており、今回これにRustが加わることとなります。