アトラシアン「AI時代の業務のためのブラウザを作る」、The Browser Company買収を発表。ArcやDiaの開発元
アトラシアンは、次世代ブラウザのArcやDiaなどの開発元である「The Browser Company」の買収を発表しました。
アトラシアン共同創業者兼CEOのマイク・キャノン・ブルックス(Mike Cannon-Brookes)氏は、「我々のビジョンはDiaを業務のためのAIブラウザにすることだ」と、買収にあたり新たなWebブラウザの開発意向を表明しています。
It’s time for a browser that’s actually built for work - a browser that helps you do, not just browse.
— Atlassian (@Atlassian) September 4, 2025
We’ve entered into an agreement to acquire @browsercompany, the team behind @diabrowser and @arcinternet, to transform how work gets done in the AI era.
Stay tuned pic.twitter.com/r2tYvh1P0I
The Browser Companyは、2022年4月にChromiumをベースにしたArcブラウザをリリース。Arcブラウザはサイドバーを中心としたデザインや高度なタブ管理機能、ChatGPTなどのAIとの統合などを特徴とし、SaaSやAIを利用することに適した次世代ブラウザとして注目されるプロダクトとなりました。
しかし同社はより革新的な製品にフォーカスするためとして、今年(2025年)5月にArcの開発終了を発表し、新たにAIファーストかつシンプルであることを設計方針としたDiaブラウザの開発を発表、現在はベータ版となっています。
現在のブラウザは業務のために作られていない
今回のThe Brwoser Company買収にあたり、ブルックスCEOは「ナレッジワーカーはブラウザをブラウズするためではなく、業務のために使っている」と発言。
現在のWebブラウザはSaaSやAIが登場する以前に作られたものであり、さまざまなタブが開かれ、メールやカレンダー、プロジェクト管理ツールなどを業務として使うようにはできていないのだと指摘します。
そして長年にわたって業務関連のサービスを提供してきたアトラシアンが、ArcやDiaブラウザを開発してきたThe Brwoser Companyを買収することでこの状況を変えられるとしました。
「Our Vision to make Dia the AI browser for work」(我々のビジョンはDiaブラウザをAI時代の業務のためのAIブラウザにすることだ)(共同創業者兼共同CEOのマイク・キャノン・ブルックス氏)
新たなWebブラウザの特徴として、SaaSに最適化されていること。

AIスキルが組み込まれパーソナルな記憶装置として機能することで個人の能力を拡張し、高度なセキュリティを備えていることなどが示されました。

ブルックス氏が指摘するように、業務アプリケーションの多くがSaaS化したことにより、現在のナレッジワークの多くがWebブラウザ上で業務をしています。
そしてそのユーザー体験を優れたものにする上で、SaaSの外側にあるWebブラウザそのものを改善することにアトラシアンのような一定の規模を備えた企業が取り組む意義は大きいでしょう。
今回の買収発表において、Diaブラウザを基にした新たな製品の提供時期は発表されていません。