AnthropicがJavaScriptランタイムのBunの買収を発表。Claude Codeのランタイムとしての高速性を評価

2025年12月4日

AIエージェントによるコーディングアシスタントを提供する「Claude Code」などを提供するAntrhopicは、JavaScriptランタイム「Bun」の買収を発表しました

AnthropicはOpenAIやGoogle Geminiなどと競合する生成AI「Claude」の開発と提供を行う新興企業です。特にAIエージェントによるコーディングを注力分野としており、同社が提供するコーディング支援ツール「Claude Code」は先進的なツールとして高い評判を得ています。

一方のBunは、Node.jsやDenoのようなJavaScriptランタイムとして登場しました。この分野の事実上の標準であるNode.js互換を指向しつつも、JavaScriptとTypeScriptのランタイム機能、トランスパイラ、バンドラ、タスクランナー、npm互換のパッケージマネージャなど、JavaScript/TypeScriptのツールチェーンを統合したソフトウェアです。

Bunは主な開発言語としてZigを採用し、メモリ管理などを含む低レイヤでの実装などによる徹底した高速化を追求していることも大きな特徴です。

Claude CodeのランタイムにBunが選ばれた理由

AnthropicがBunの買収を決めたのは、このBunの高速性が最大の理由であることが明らかにされています。

AnthropicのClaude Codeはコマンドラインインターフェイスを採用しているツールであり、そのツールのランタイムとして当初からBunが採用されていました。

これはコマンドラインツールのユーザー体験として、打てば響くような軽快なレスポンスが重要であるとAnthropicは考えており、Bunはその高速性を実現すると評価され、採用されたのです。

AnthropicでClaude Codeの開発ヘッドを務めるBoris Cherny氏は、Claude Codeの開発をスタートするときに多くの選択肢からランタイムにBunを選んだ理由として、Pythonでは47ミリ秒かかる起動時間がわずか3ミリ秒であり、Bunの性能が他のツールを軽々と上回ったからだと、Bun 1.3リリース時に発言しています

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AnthropicはBunを買収後、Bunの上でClaude Codeをさらに優れたものにすると共に、Bunを今後も開発者にとって最高のJavaScriptランタイムにすると説明しています。

また、今後もBunがMITライセンスを採用したオープンソースであること、これまでと同じ開発チームで開発を続けること、これまでのBunノロードマップを維持することなど、これまでと同様にBunの開発が継続されることも約束されています。

Bunは持続可能なのか? への答えが

ちなみにBunの作者であるJarred Sumner氏は今回の買収に当たり、次のようにX/Twitterにつぶやいています。

「皆からよく聞かれる、Bunをどうやって持続可能なものにしていくのか? もし会社の技術スタックをBunに賭けるとして、この先何年もBunは存続できるのか? という質問に上手く答えることができなかった、今日まではね」

いままでBunはソフトウェアの開発は進んでいましたが、それでどのようにビジネスで売り上げを立てるか、というビジネスモデルについては目立った進展がありませんでした。

AnthropicがBunを買収したことで、少なくともこの先数年のBunの存続について心配することはなくなったと言えるでしょう。

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Junichi Niino(jniino)
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