Wasm Labsが「Wasm Workers Server」をオープンソースで公開。Node.jsやDenoのようにWebAssemblyのWorkerをイベントドリブンに実行

2022年10月20日

VMware Wasm Labsは、WebAssemblyのWorkerをNode.jsやDenoのようにサーバサイドでイベントドリブンに実行できる「Wasm Workers Server」をオープンソースで公開しました

インストールも簡単で、わずか5分で使い始められると説明しています。

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コンフィグ不要、JSエンジンもWasmランタイム上で実行

Wasm Workers Serverの特徴は、これ自身の機能も含めてすべてWebAssemblyランタイムのWasmtimeの上で動いているという点にあります。JavaScriptエンジンのQuickJSもWebAssembly化され、Wasmtime上で実行されているとのこと。

HTTPエンドポイントは自動的にファイルシステムのカレントディレクトリを判別して設定されるため、コンフィグレーションファイルなどは不要。

また、基本的なデータレイヤとしてインメモリのキーバリューストアも搭載しているため、外部のデータベースなどを用意しなくともWasm Workers Serverのみで状態保存が必要なアプリケーションもそのまま実行可能です。

他のランタイムとの互換性についても、Wasm Workers ServerのAPIはNode.jsやDeno、Cloudflareなど非ブラウザ系JavaScriptランタイムの標準化団体であるWinterCGが提案している「Minimum Common Web Platform API」に準拠するように実装されていると説明されています。

Node.js、Deno、そしてBunをはじめとしてサーバサイドのJavaScript/WebAssemblyランタイムの選択肢が増えてきました。Wasm Workers Serverは本気で既存のランタイムとの競合を目指すというよりも、WebAssemblyの可能性を追求する実験的な実装という位置づけではないかとみられますが、今後このWasm Workers ServerのようにJavaScriptよりもWebAssemblyに重点を置いたランタイムの登場を予感させるものでもありそうです。

ちなみにWasm Labsは「さっき5分と書いたが間違いだった、本当は1分以内だ」と、訂正ツイートをして、1分以内で使い始める様子を紹介しています。

Tags: JavaScript WebAssembly プログラミング言語 VMware

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