JavaScriptのメモリリークを検出するフレームワーク「MemLab」、メタがオープンソースで公開

2022年9月15日

メタ(旧Facebook)は、JavaScriptアプリケーションのメモリリークを検出するフレームワーク「MemLab」をオープンソースとして公開したと発表しました

Metaが展開しているFacebook、Facebook Messenger、InstagramなどをWebブラウザから利用する場合、いわゆるSPA(Single Page Application)による複雑なJavaScriptコードが実行されています。MemLabはこうしたJavaScriptアプリケーションがメモリリークを起こしていないかをWebブラウザやNode.js上で検出し、その原因を分析できるフレームワークです。

fig

JavaScriptにかぎらず、アプリケーションにおけるメモリリークは、たとえ発生したとしても動作や機能にすぐに影響を与えることが少ないためテスト発見することは容易ではなく、コードレビューで発見することも簡単ではありません。

しかしメモリリークは、徐々にアプリケーションの動作を遅くしたり不安定にしたりすることでユーザー体験を大きく損なう可能性があるやっかいなものです。また、メモリリークではないものの、例えば無限スクロールでスクロールアウトしたアセットをずっと保持していることで消費メモリがどんどん増大していってしまう、といったコードも、メモリリークと同様の問題を引き起こしてしまいます。

MemLabはこうした検出の難しいメモリリークを発見し解決することを支援してくれます。

テストシナリオを実行するとメモリリークのレポートを出力

MemLabは、ターゲットとなるアプリケーションをNode.jsあるいはPuppeteer上でテストシナリオで実行すると、状態ごとのヒープの差分からメモリリークの発生を検知し、メモリリークを起こしているオブジェクトのリストや参照チェーンなどのレポートを出力してくれます。

メモリリークの検出以外にもMemLabにはJavaScriptヒープのグラフビューAPI、メモリアサーションなどの機能を備えています。

MetaはすでにMemLabを使用することでメモリ不足(Out of Memory)によるクラッシュを50%減とすることに成功しており、サービスの信頼性やユーザー体験の向上に役立ったとしています。

Tags: JavaScript ソフトウェアテスト・品質 プログラミング言語 Facebook

このエントリーをはてなブックマークに追加
ツイート
follow us in feedly





タグクラウド

クラウド / AWS / Azure / Google Cloud
コンテナ / Docker / Kubernetes
クラウドネイティブ / サーバレス
クラウド障害 / 運用・監視

プログラミング言語 / 開発ツール
JavaScript / Java / .NET / WebAssembly
HTML/CSS / Web標準

アジャイル開発 / スクラム / DevOps / CI/CD
ソフトウェアテスト・品質
ローコード/ノーコード開発

データベース / RDB / NoSQL / 機械学習・AI
Oracle Database / MySQL / PostgreSQL
Office / 業務アプリケーション

ネットワーク / HTTP / QUIC / セキュリティ
OS / Windows / Linux / VMware
ハードウェア / サーバ / ストレージ

業界動向 / 働き方 / 給与・年収
編集後記 / 殿堂入り / おもしろ

全てのタグを見る

Blogger in Chief

photo of jniino

Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
詳しいプロフィール

Publickeyの新着情報をチェックしませんか?
Twitterで : @Publickey
Facebookで : Publickeyのページ
RSSリーダーで : Feed

最新記事10本