Google、マイクロソフトらが設立、「Open Web Docs」を発表。MDNなど支援、Web技術のドキュメント化を推進

2021年1月27日

オープンソースやテクノロジーを中心としたコミュニティの維持や発展を支援する組織「Open Collective」は、Web技術のドキュメント化を長期的に支援する取り組みとして「Open Web Docs」を発表しました。

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Open Web Docsはおもに既存のコミュニティによるドキュメント、特にMozillaのMDNをまずは優先的に支援するとしています。

Open Web Docsの設立スポンサーは、Google、マイクロソフト、そしてコンテンツのマネタイズサービスを提供しているCoilの3社。さらにOpen Collectiveの支援者、Mozilla、サムスン、W3Cなども追加支援を表明しています。

Open Web DocsはWeb技術のドキュメント化を長期的に支援する目的で立ち上げられました。具体的にはOpen Web Docsが何らかのドキュメントプラットフォームを立ち上げるのではなく、さまざまなコミュニティの取り組みなどを支援していくとしています。

なかでも今年はまず、MozillaのMDNの支援を優先事項として取り組むと「Introducing Open Web Docs」で次のように示しています。

Our 2021 priorities include working with Mozilla’s MDN writers and engineers to support the recent infrastructure transition and to prioritize and move forward with key documentation work, developing a community of contributors around core web technology documentation, browser compatibility data, and improving JavaScript documentation.

私たちの2021年の優先事項は、MozillaのMDNのライターやエンジニアと協力し、新しいインフラストラクチャへの移行をサポートし、重要なドキュメンテーション作業に優先順位をつけて前進すること。そして、コアなWeb技術のドキュメンテーション、ブラウザの互換性データ、JavaScriptのドキュメンテーションの改善を中心としたコントリビュータのコミュニティを発展させることです。

2020年にMDNは縮小されていた

MDNは、2017年にマイクロソフトやGoogle、W3Cなどが協力してWeb標準のリファレンスとして一本化されたドキュメントを提供している重要な情報源です。

しかしMozillaは2020年、新型コロナウイルスの世界的感染拡大の影響をおもな理由として財政状況が悪化していることを明らかにし、大規模リストラに踏み切っていました。

参考:Mozillaが大規模リストラ。「すべてが無料だった古いモデルには結論が出た」として今後は新たなビジネスモデルを模索すると

このときにMDNチームもリストラ対象となり、MDNは存続するもののチームは縮小を余儀なくされています。

今回のOpen Web Docの取り組みとしてまずMDNへの注力が優先されたのは、縮小されたMDNチームを補う意味があったのではないかと推察されます。

一般的に、オープンソースやWeb標準の開発においてコードの貢献は目立つものの、ドキュメントの作成とメンテナンスは目立ちにくくコントリビューターが集まりにくい分野とされています。

Open Web Docが目指すWeb技術におけるドキュメントの長期的な維持と発展が、こうした部分をうまく補う一助になることを期待したいと思います。

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Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
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