AWSがDocker Hubの代替サービスを発表予告。パブリックにコンテナイメージを公開可能で50GBまで無料、AWSからなら何度でもプルし放題に

2020年11月4日

Amazon Web Services(AWS)は、数週間以内にDockerコンテナイメージをパブリックに公開できる新たなコンテナレジストリサービスを発表すると明らかにしました

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Docker Hubの無料プランはプル回数を制限へ

現在、Dockerコンテナイメージのパブリックなレジストリとして事実上の標準となっているのは、Docker社が運営するDocker Hubでしょう。

Docker Hubは誰でもコンテナイメージを公開でき、また、誰でも公開されたイメージを取得(プル)できます。しかしDocker社は今年夏の時点で15ペタバイトにまで膨れ上がったDocker Hubのサービスの無料プランをこのまま続けていくのは難しいと判断し、無料プランに対しては以下の制限を加えることを発表しました。

  • 6カ月以上使われなかったコンテナイメージは削除する
  • アノニマスユーザーからのプルは6時間で100回まで
  • 認証済みユーザーからのプルは6時間に200回まで

このうち、1つ目の「6カ月以上使われなかったコンテナイメージは削除する」については一旦保留にし、新たな料金体系を設定する方向で再検討することが10月末に発表されました

参考:Docker Hub、6カ月使われていないコンテナイメージの削除計画を保留に。従量課金ベースの料金プランを検討へ

しかし後者の2つの制限、アノニマスユーザーからのプルは6時間で100回までと、認証済みユーザーからのプルは6時間に200回までについては11月から実施が開始されています。

これまでCI/CDなどのパイプラインのなかで頻繁にDocker Hubからコンテナイメージをプルしていたユーザーは、もしかしたらこの新たな無料プランの制限にひっかかり始めるかもしれません。

AWSの新コンテナレジストリサービスは、この制限に対する救済策として明らかにされたものです。

50GBのストレージとアノニマスでも500GBの帯域幅まで無料

AWSのブログ「Advice for customers dealing with Docker Hub rate limits, and a Coming Soon announcement」(Docker Hubの利用制限にかかわるユーザーへのアドバイスと発表予告)で、この新コンテナレジストリサービスは次のように説明されています。

AWS will deliver a new public container registry that will allow developers to share and deploy container images publicly. This new registry will allow developers to store, manage, share, and deploy container images for anyone to discover and download.

AWSは数週間以内に、デベロッパーがコンテナイメージを公開し、共有し、デプロイできる新しいパブリックコンテナレジストリを提供予定です。この新しいレジストリにより、デベロッパーはコンテナイメージを保存、管理、共有、デプロイすることができ、誰もがコンテナイメージを発見しダウンロードできるようになります。

このパブリックレジストリサービスではコンテナイメージが複数の地域にレプリケートされることで可用性を高め、またユーザーに近い場所からダウンロードされることで高速なアクセスも実現されるとのこと。

気になる利用料金については次のように記されています。

A developer sharing public images on AWS will get 50 GB of free storage each month and will pay nominal charges after. Anyone who pulls images anonymously will get 500 GB of free data bandwidth each month after which they can sign up or sign in to an AWS account. Simply authenticating with an AWS account increases free data bandwidth up to 5 TB each month when pulling images from the internet. And finally, workloads running in AWS will get unlimited data bandwidth from any region when pulling publicly shared images hosted on AWS.

AWS上でパブリックイメージを共有するデベロッパーは毎月50GBの無料ストレージを利用可能で、それ以上はわずかな追加料金となります。アノニマスユーザーとしてコンテナイメージをプルする場合、毎月500GBの無料データ帯域幅が提供され、その後はAWSアカウントにサインアップまたはサインインが可能。AWSアカウントで認証することにより、無料データ帯域幅は毎月5TBまで増加します。そして、AWS上で稼働しているワークロードであればどのリージョンからであっても、AWS上でホストされているパブリックなイメージを帯域幅の制限なく取得できます。

最後の一文に、なぜAWSがDocker Hubの代替候補ともいうべきサービスを提供するのか種明かしのような説明があります。つまりこの新サービスはデベロッパーをAWSへ引きつけるための要素を備えているわけです。

これをDocker社は、Docker Hubの負担が分散されてありがたいと感じるか、それとも脅威と感じるか、どちらでしょうか。そしてGitHubとnpmを抱えるマイクロソフトはどう感じるでしょうか。今後の両社の出方が気になってきます。

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Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
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