HPE、メモリドリブンコンピューティングを実現する次世代マシン「The Machine」のプロトタイプ動作実験に成功と発表

2016年11月30日

「The Machineのアーキテクチャは、プロセッサではなくデータがまず第一にある。このアプローチを私たちは“メモリドリブンコンピューティング”と呼んでいる。これによって桁違いの性能向上と、ほぼリアルタイムな大規模データの分析を実現することになる」

ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)の社長兼最高経営責任者メグ・ホイットマン氏は、11月29日(日本時間11月30日未明)にロンドンで開幕した同社の年次イベント「Discover 2016 London」の基調講演で、同社が開発中の次世代マシン「The Machine」のアーキテクチャをこのように説明しました。

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従来のコンピュータはその中心にプロセッサがあり、プロセッサの周囲に記憶装置としてのメインメモリが接続され、さらに補助記憶装置としてストレージが用意されていました。

しかしメモリの大容量化とデータの大規模化が進むにつれ、中心にある限られた数のプロセッサで大量のデータを処理するというこのアーキテクチャには限界が見えてきました。

そこで中心にプロセッサではなく、従来のメインメモリとストレージの両方の役割を備えた大規模な不揮発性メモリを置き、その周囲にさまざまな能力を備えた大量のプロセッサコアを高速なフォトニクスネットワークで接続するという新しいアーキテクチャを採用したのがHPEの「The Machine」です。そしてこれを同社は「メモリドリブンなアプローチ」と呼んでいるのです。

The Machineでは、すべてのデータは大容量の不揮発性メモリに記憶され、処理に必要なコアがそのメモリに接続して内容を処理します。コアは大量にあり、しかも得意分野が異なるさまざまな種類があるため、メモリ上にある大量のデータを大量のコアが得意分野ごとに同時に処理していくことで、従来のアーキテクチャよりもずっと高速な処理が実現できるというのがこのアーキテクチャの概要です。

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そしてこの、大規模な不揮発性メモリと大量のプロセッサコアを高速なフォトニクスネットワークで接続するというアーキテクチャは、HPEだけでなくさまざまな企業が開発に取り組んでいる次世代のコンピュータアーキテクチャにほぼ共通したものです。

The Machine、プロトタイプの動作実験に成功

メグ・ホイットマン氏は、同社がこのThe Machineのプロトタイプを開発、動作実験に成功したことを基調講演で発表。その動画を公開しました。

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スクリーンに、2016年10月24日に最初のメモリドリブンコンピューティングアーキテクチャの動作に成功したとの文字。

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The Machineのコアテクノロジーとして、シリコンフォトニクスやより高速な不揮発性メモリなど、まだ開発途上のものがあるため、HPEは今後数年にわたってこうしたものを実現していくことになります。しかしThe Machineが登場するより前に、こうした技術の成果は少しずつ従来製品にも取り入れられていくことになるとホイットマン氏。

ただし、これまで同社はThe Machineに言及する際に「2020年には出荷する」といった説明をすることが多かったのですが、今回は出荷時期への言及はありませんでした。


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タグ : HP , サーバ



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