Cloud Foundryをベースにしたディストリビューション「HP Helion Development Platform」国内でも提供開始。24時間商用テクニカルサポートが年間9万6000円

2015年1月21日

Cloud Foundryはオープンソースで開発されているPaaS基盤ソフトウェアです。すでにIBMが採用してBlumixというサービスとして昨年提供を開始し、国内でもNTTコミュニケーションズがCloudn PaaSとして1年以上前から提供を開始しています。昨年12月には推進団体として「Cloud Foundry Foundation」も設立されました

このCloud Foundryをベースにした商用ディストリビューション「HP Helion Development Platform」は昨年10月に米ヒューレット・パッカードがリリースしていましたが、日本国内でも1月20日付けで提供を開始すると日本ヒューレット・パッカードが発表しました。

HP Helion Development Platformは、同社がすでに提供している、OpenStackをベースにしたクラウド基盤ソフトウェア「HP Helion OpenStack」の上に導入することを前提にしたPaaS型基盤ソフトウェア。導入するとJava、Python、Ruby、PHP、Node.jsなどの言語の実行環境とMySQL、RabbitMQ、Memcachedなどのデータベース環境が用意され、すぐにアプリケーションの開発に取りかかれるのが最大の利点です。

米ヒューレット・パッカード クラウドチーフテクノロジスト 真壁徹氏は「PaaSが何を解決するか、ずばりリードタイムです」と、その最大の利点を指摘する一方で、開発環境だけでなく「Helion Development Platformは開発プラットフォームという名前ですが、PaaSのソリューションで、実行環境です」(日本HP クラウドビジネス統括本部 統括本部長 春木菊則氏)と、アプリケーション運用のプラットフォームとしての用途にも使えることを訴求しています。

商用サポートがサーバ1台あたり年間9万6000円から

HP Helion Developement Platformは、基本的にはCloud Foundryの実装の1つであるため、機能的に単体で他社のCloud Foundryベースのソフトウェアと大きな違いがあるわけではありません。

HPとしては、同社のサーバやストレージなどのハードウェア、HP Helion OpenStack、そして今回のHP Helion Development Platformを含めたクラウドソリューションのための製品を揃え、かつてEDSを買収するなどで強化してきたソリューション提供力などの総合力によって、プライベートクラウドからハイブリッド、パブリッククラウドのあらゆるクラウド構築を支援する体制があることを競争力にしていく戦略です。

その中で今回の製品発表の注目すべき点が、HP Helion Developement Platformの商用テクニカルサポートの価格が非常に低く抑えられている、という点です。もっとも安いCommunityバージョン向けの商用テクニカルサポートが物理サーバ1台あたり年間3万8000円。もっとも高い24時間対応テクニカルサポートでも1台あたり年間9万6000円と、驚くほど低価格です。

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実際には、HP Helion Developement Platformは基盤としてHP Helion OpenStackの上に導入することになるでしょうし、HP製サーバならばよりスムーズに導入できるであることを考えると、この商用テクニカルサポートのアグレッシブな価格設定は、これを呼び水にしてクラウドソリューションをHP製にしてもらいたいという同社のメッセージではないかと思えます。

なぜDockerを実装したのか?

HP Helion Development PlatformはいくつかHPによるカスタマイズが行われており、オープンソースのCloud Foundryと異なっている点がいくつかあります。

1つ目は内部で使われているコンテナ技術がDockerになっている点です。現行のCloud Foundryは内部のコンテナ技術としてWarden(ウォードン)と呼ばれる独自コンテナが使われていますが、これがDockerに置き換えられています。とはいえCloud Foundryにユーザーが実行形を組み込むための仕組みであるBuildpackなど、外部から見た動作には一切影響せず、従来のCloud Foundryとの互換性も変わりません。実質的にDockerに変更されたコトによるメリット、デメリットは利用者にとってまったくないと言えます。

ではなぜこのようなカスタマイズが行われたかと言えば、実はHP Helion Development PlatformはActiveStateと呼ばれる企業からHPがOEM提供を受けているのですが、このActiveState版のCloud FoundryでWardenをDockerに置き換える実装を採用しています。それがそのままHP Helion Development Platformに受け継がれているのだと考えられます。

2つ目の違いは、基盤となるIaaSがHP Helion OpenStackを前提とし、最適化と統合度を高めている点です。PaaS側で利用するDBaaS機能、メッセージング、アプリケーションカタログ機能を、OpenStackで提供しているTrove、Zaqar、Murano(それぞれコード名)の実装で実現しており、リソースの重複などを防ぎ管理性を向上させています。

また、同社ではHP Helion Development Platformに対応したアプリケーションマーケットプレイスも予定しており(OpenStack Muranoをベースに開発中とのこと)、例えば同社のデータベースであるVerticaを簡単にインストールしたり、モバイルBaaS機能を追加する、といったことも実現していくと説明しています。

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タグ : Cloud Foundry , HP , PaaS , クラウド



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