オラクル、エリソンCEO登場「ハードウェアとソフトウェアの協調がオラクルの戦略」。OOW Tokyo 2012

2012年4月5日

Oracle OpenWorld Tokyo 2012、2日目の基調講演は京都からのライブ中継で米オラクルCEOのラリー・エリソン氏が登場しました。エリソン氏は京都で日本企業のエグゼクティブたちとクローズドなミーティングを行っているところと伝えられています。

基調講演は、昨年10月にサンフランシスコで行われたOracle OpenWorld 2011のエリソン氏自身の基調講演をほぼなぞる形で、同社のEngineered Systemの優れた点を解説していくものでした。

講演後には京都会場のエグゼクティブたちからの質問に答え、Engineered Systemの先進性、そして垂直統合によるロックインの懸念についても解説しています。

基調講演の模様をダイジェストで紹介しましょう。

ラリー・エリソン氏「Extreme Innovation」

次世代のコンピューティングについて今日はお話ししたい。

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私たちが信じているのは、ハードウェアとソフトウェアを協調させることが最高のシステムを実現する手段だということだ。アップルは、ハードウェア、ソフトウェア、そしてインターネットサービスを完全にシームレスな体験として顧客に提供し、その結果、世界で最も優れた企業となった。

ハードウェア、ソフトウェアの協調、これが私たちオラクルの戦略だ。

ExadataとExalogic。これらのマシンのゴールは、最高性能を最小コストで実現することだった。そしてそのゴールを実現できたと信じている。

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このゴールの実現は、ハードウェアとソフトウェアを協調させ、すべてを並列化したためだ。

サーバも、ストレージも並列化し、それらを高速で信頼性の高いInfinibandで接続。ミドルウェアも並列処理対応に作り直した。

もう1つの技術がソフトウェアによるデータの圧縮だ。

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圧縮によりデータの大きさが10分の1になった。必要なディスクも10分の1になり、コスト削減になる。

さらに、データへ高速にアクセスできるように従来のシステムの10倍のフラッシュメモリとDRAMを搭載している。

つまりデータ圧縮と合わせると、100倍のデータがDRAMとフラッシュメモリに保持できるのだ。

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Exadataの導入で、アサヒグループでは2時間かかっていたセールス分析が30秒に。三越伊勢丹ホールディングスでは、取引分析のアドホッククエリが25倍高速に、マツダではアプリケーションの実行速度が4倍に、野村総研では最大でクエリが224倍高速になった。

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Exalogicはミドルウェアを実行するマシンだ。これもすべてのパラレルにすることで同クラスのマシンと比較してJavaの実行速度が10倍、ユーザー数で5倍の性能を持つ。

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あらためて、なぜこうしたことが実現できているかといえば、ハードウェアとソフトウェアを協調させているからだ。

Exalyticsは既存の分析アプリケーションが動く

Exalytics In-Memory Machine。これは高速なデータ分析のためのマシンだ。すべてをパラレルにしているだけでなく、データをメモリに保持している。フラッシュ以上に高速なDRAMに載せており、インメモリ処理に最適化されている。

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データ圧縮により、このメモリに5TBから10TB相当のデータを保持することができる。

さらに分析ソフトウェアもパラレル処理にした。どんな分析でも従来の5倍から10倍は高速になる。どんなデータベースでもデータソースにし、分析できる。Oracleでも、DB2でもSQL Serverでもいい。

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SAPから似たようなインメモリデータベースのHANAがリリースされている。しかしHANAは単なるデータベースであり、それに対応した新しいアプリケーションを開発しなければならない。未熟なテクノロジーだ。

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一方、Exalyticsは既存のオラクルの分析アプリケーションがそのまま使える。

ハードウェアとソフトウェアを協調させる

アップルの話にもどろう。

ジョブズとは25年来の友人だった。彼の発想はシンプルで、現在の課題はつまり、PCにマイクロソフトやインテルやヒューレット・パッカードなどあまりにも多くの人が関わっているためだと。もしも1つの企業がハードウェアもソフトウェアもオンラインサービスも作り、シームレスなものにすれば、もっとうまくいくだろう、というものだった。

ハードウェアとソフトウェア、オンラインサービスをそれぞれがフィットするものにしようとしたことは偉大なアイデアだったと思う。マイクロソフトより、IBMよりも小さな研究開発費の企業がそれを実現したのだ。

エンタープライズのバックエンドでも同じだと私たちは信じている。それが私たちの戦略である。

オラクルはロックインをしない

会場から質問 例えばあらゆる企業において、2年で御社に追いつくことができると思えるか?

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エリソン氏 興味深いことに、IBMがEngineered Systemをもうすぐ発表しようとしているそうだ。私たちは2008年に最初にEngineered Systemを発表したけれど、開発はその3年前から始めていたので、ここまで7年かけている。

とすると、2年で追いつくことは無理だと思う。

IBMは彼らのハードウェア、AIX、DB2を再構築しているそうだ。しかしIBMが私たちの後追いをするようになるのは非常に興味深い。私たちがIBMを追っていたのだから。

会場から質問 ハードウェアとソフトウェアを協調させる点はユーザーとしての1つの悩みの解消となり賛成だ。しかしこれまでの歴史をみると、ユーザーはベンダロックインに悩まされてきた。例えばIBMのような会社に。そしてそれによって高いコスト負担を余儀なくされてきた。

オラクルは第二のIBMになるのか? また、それに関連してオープンソースの方向性については?

エリソン氏 私たちの製品がロックインを起こすことはない。なぜならOracle DBはサンのマシンでも、富士通でもデルでもIBMのマシンでも動くことをこれからも約束するからだ。

顧客はそこで最も優れたものを選択してくれればよい。

ロックインはひどいアイデアであり、私たちが高コストな製品を提供するようになれば、顧客は逃げ出していくだろう。

JavaについてはIBMもSAPも私たちのパートナーで、互換性を提供している。また、誰でも投票できるコミュニティ主導で進めていくが、唯一それに反対したのがグーグルだ。

今後もLinux、バーチャルマシン、Javaはオープンソースとして進めていく。

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カテゴリ サーバ / ストレージ / ネットワーク
タグ  Oracle


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