Javaのためのクラウドを作る、VMwareのSpringSource部門ゼネラルマネージャが来日

2010年6月9日

VMwareでSpringSoruce部門のゼネラルマネージャのRod Johnson氏が来日し、プレス向けのメディア説明会を行いました。

VMwareは、セールスフォース・ドットコムと共同でクラウド上のJava実行環境「VMforce」、そしてグーグルとも共同でSpringフレームワークとGWT(Google Web Toolkit)を統合しGoogle App Engine上でサポートすることを表明。いま、Java対応のクラウドサービスを提供するベンダとして存在感を高めつつある同社の戦略を、あらためて聞きました。

fig

SpringSourceはもともとはSpringフレームワークと呼ばれるJavaのフレームワークをオープンソースで開発するベンダでした。Springフレームワークは非常に人気のあるフレームワークで、WebLogicやWebSphereなど既存のミドルウェア上でも利用され、またApache Tomcat上でもよく利用されています。「エンタープライズのアプリケ―ションなら、Springフレームワークが使われている可能性が高い」(Johnson氏)。

fig

VMwareは昨年SpringSourceを買収、さらに今年に入りHyperic、GemStone、RabbitMQとつぎつぎに買収し、同社は現在、Javaアプリケーションの開発ライフサイクルをカバーするミドルウェアのラインナップを揃えています。

fig

ITがクラウドへの道筋をたどるとすれば、物理サーバが仮想サーバとなり、IaaS、PaaS、といった道をたどるとJohnson氏は説明します。「このような旅を可能にするのが私たちの仕事」(Johoson氏)。買収はこうしたクラウドを実現するために必要な要素技術を揃えることが目的だったと。

fig

SpringSourceが実現しようとしているクラウドは、JavaのためのPaaSです。2つの特徴があります。1つはプログラムの開発生産性の高さ、そしてもう1つはポータビリティ。特に、ビジネスロジックを抽象化し、プラットフォームと切り離すことがクラウドの時代には重要だとJohnson氏は指摘します。同社はSpringフレームワークなどのミドルウェアによってそれを実現し、Javaアプリケーションをオンプレミスやプライベートクラウド、そしてVMforceやGoogle App Engineといったパブリッククラウドなどの環境で実行可能にしています。

fig

そしてデプロイの自動化のシステムを同社は現在開発中。このシステムでは、Javaアプリケーションをデプロイするとき、対象のサーバに対して事前にOSやJavaVMのインストールは不要。どのような構成かをデプロイメントポリシーに記述しておくと、デプロイ時に自動的に仮想サーバ上にOSとJavaVMなど必要なミドルウェアがインストールされ、その上にアプリケーションがデプロイされる、というもの。さらにロードバランサーによって負荷に応じた台数にデプロイされ、その状況は管理ツールでモニタできることになっています。

fig

この仕組みは、Javaやミドルウェアなどのアプリケーションレイヤと、ハイパーバイザが実現する仮想アプライアンスを連係させることによって実現するわけで、インフラとデプロイの自動化という、仮想化ベンダであるVMwareが、ミドルウェアベンダであるSpringSourceを買収する1つの意味を示すものだといえそうです。

fig

SpringSourceはJavaコミュニティに対してクラウドを提供する。これが同社の戦略が示すものです。

関連記事

PublickeyではVMwareがSpringSourceを買収したときから、同社のJavaクラウド戦略について注目してきました。

今年に入り同社はセールスフォース・ドットコム、グーグルとそれぞれ協業を発表しています。

GemStoneの買収によって同社がどのような方向に進もうとしているのか、分析した記事も先月公開しました。

このエントリーをはてなブックマークに追加
follow us in feedly

タグ : Java , VMware , クラウド



≫次の記事
Hadoopは企業のための新たな情報分析プラットフォームとなる、とCloudera
≪前の記事
[速報]米マイクロソフトTechEd開催。Windows Azureは.NET 4.0対応、SQL Azureは容量50GBへ

Loading...

Blogger in Chief

photo of jniino Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。新しいオンラインメディアの可能性を追求しています。
詳しいプロフィール


Publickeyの新着情報をチェックしませんか?
Twitterで : @Publickey
Facebookで : Publickeyのページ
RSSリーダーで : Feed



Publickey 最新記事 10本

Publickey Topics 最新記事 10本


PR - Books


fig

fig

fig

fig



blog comments powered by Disqus