VMwareの「Open PaaS」戦略、VMwareはJavaプラットフォームベンダへ変身するのか

2010年5月6日

VMwareは「Open PaaS」戦略によって、SpringフレームワークをベースにしたJava実行環境をクラウドでもオンプレミスでも実現しようとしています。セールスフォース・ドットコムと共同提供する「VMforce」は、その第一弾だったのです。

VMware: The Console: VMforce and VMware’s “Open PaaS” Strategy

VMforceとは、Javaを基盤としたPaaS(Platform as a Service)で、VMwareの仮想環境を基にパブリッククラウドを構築、そこにJavaのSpringフレームワークを乗せ、データベースとしてはセールスフォース・ドットコムのForce.comを利用する、というもの。

VMwareはこのVMforceを皮切りに、今後ほかのクラウドでも、そしてオンプレミスでも同様にSpringフレームワークを基盤とするJava実行環境を提供することを、同社CTO Steve Herrod氏がブログ「VMware: The Console: VMforce and VMware’s “Open PaaS” Strategy」で明らかにしています。

Springフレームワークがポータビリティを実現するレイヤに

Steve Herrod氏は、SpringフレームワークによってJavaアプリケーションと、それを実行するためのハードウェアやソフトウェア基盤とを切り離すレイヤとなり、Javaアプリケーションのポータビリティを実現するとしています。

you can write your code from within an IDE (integrated development environment) and easily choose where to deploy the code for execution. Furthermore, you should be able to extract the code from the cloud it currently runs in and move it, along with its data, to another cloud choice.

IDEで開発したコードは、それをどこで実行するか簡単に選べるようになる。つまり、そのコードはいま動作しているクラウドから、データごとほかのクラウドを選んで移動することができる。

これはつまりVMforceと同様のJava実行環境が、VMforce以外のクラウドベンダからもサービスとしても登場し、またプライベートクラウドとしてvSphere上に構築するためのソフトウェアとしても提供されることを意味しています。

そしてこうしたさまざまな形態のプラットフォームに対するアプリケーションとデータのポータビリティを実現することを指して「Open SaaS」戦略と呼んでいるようです。

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しかもこのJava実行環境のインフラは、必ずしもvSphereをベースとしなくともよい、としています。

we will wholeheartedly enable deployment of these cloud portable applications to clouds that are not based on our underlying vSphere virtualization technology.

このことは近いうちに、正式な発表があるはずです。

Stay tuned as you’ll see many more announcements around this very soon.

Javaデベロッパーを巻き込めるか

VMwareが目指しているのは、仮想化とそれをベースにしたクラウド、すなわちIaaS構築のためのソフトウェアベンダーから、アプリケーションプラットフォームとしてのクラウド、すなわちPaaS構築のためのソフトウェアベンダーへと変身すること。

同社は、これまでのvSphereによるプライベートクラウドでの実績、セールスフォース・ドットコムとの提携によるVMforceの展開、そしてSpringフレームワークとオープンソースによる展開といったすべての要素を動員して、PaaSのリーダーシップを握ろうと考えているはずです。

しかしPaaSのリーダーシップ争いにももちろん強力なライバルたちがいます。今回提携したセールスフォースのForce.com、グーグルのGoogle App Engine、そしてVMware CEO ポール・マリッツ氏の古巣でもあるマイクロソフトのWindows Azureなどです。

その中でどれだけ存在感を示すことができるかは、Javaデベロッパーをどれだけ巻き込めるかがカギとなることでしょう。つまりある意味で競合はほかのPaaSベンダだけでなく、WebLogic Serverのオラクル、WebSphereのIBMなどJava EEのWebアプリケーションサーバベンダーにも広がっているといえるかもしれません。

夏以降に公開されるVMforceや、新しく発表される予定のソフトウェア群に注目することにしましょう。

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タグ : Java , SaaS , VMware



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