そのコードのその行をどのようにAIが生成し、なぜ変更されたのか。コードのコンテキスト履歴を記録する標準「Agent Trace」。Cursor、Cognition、Google Julesらが提唱
あるコードのある行がいつ、誰によって、どのような理由で書かれ、あるいは変更されてきたのかの履歴は、コードのコメントに記述する方法や、GitHubなどのソースコード管理ツールによってコードの更新時などに記録する方法があります。
しかしAIを用いたコーディングエージェントが混在して使われ、高速かつ大量にコードが生成、変更される状況でこうした履歴を記録しようとするとき、これまでとは異なる履歴が求められるようになってきました。
それは、コードエージェントがより迅速かつ正確に多くのコードを理解するうえで、コミットログなどよりも細かい粒度でコンテキストの履歴を読み取ることができること。
そしてその詳細なコンテキストの履歴が、特定のソースコード管理ツールやエージェントに依存せず、共通のフォーマットで記録されることです。
Agent Traceは詳細なコンテキストの履歴を保存可能
Cursor、Devinの開発元であるCognition、Google Jules、Cloudflare、Vercel、OpenCodeなどが提唱する「Agent Trace」は、そうしたコーディングエージェントのための共通のコードコンテキスト履歴を保存するためのフォーマットです(Cognitionによる発表)。

もちろんAgent Traceによる履歴は、コーディングエージェントによってコードの理解、生成や変更に使われるだけでなく、コードの分析、監査などにも活用できます。

Agent Traceで保存される情報
Agent Traceでは、主に次のような情報を保存できるようなJSONフォーマットになっています。
- タイムスタンプ
- 利用しているバージョン管理ツールの情報
- 利用コーディングツール名
- 対象となるファイル名
- 対象となるコードの範囲(開始行から終了行まで)とコンテントハッシュ
- コンテキストとなる対話内容へのポインタ(URL)
- 書いたのは人間かAIか、あるいはAIモデルのID
- ベンダ固有の拡張のためのメタデータ
基本的には共通フォーマットによるツール間での相互運用性を保ちつつ、ベンダ固有の機能拡張を許容しています。
現時点でAgent Traceの仕様はバージョン0.1.0とされており、今後はDevinやCursor、Google Jules、Vercel V0などの提唱元のベンダのコーディングエージェントで実装を進めつつ、改善されていくものと見られます。
ただし本格的な普及にはClaude CodeやGemini Code、GitHub Copilotなどの主要なコーディングエージェントからの推奨と実装が欠かせないところで、今後これらの開発元がAgent Traceに賛同するかどうかが普及の分かれ道になりそうです。
