「データベースのスケーラビリティの解決」のためにGemStoneを買ったVMwareの狙い(前編)

2010年5月26日

リレーショナルデータベースはスケーラブルではないためクラウドに適していない、といった議論がありますが、VMwareでSpringSoruce部門のゼネラルマネージャのRod Johnson氏はそうではないと考えているようです。

VMware/SpringSourceは今月6日にGemStone Systemsを買収したと発表しました。Rod Johnson氏は、GemStoneの製品はスケーラブルなデータベースを実現していると「TheServerSide.com」の記事「Why Did SpringSource Buy GemStone: A Discussion with Rod Johnson」(なぜSpringSourceはGemStoreを買ったのか:Rod Johnsonとの対話)で答え、それが買収した理由の1つだとしています。

GemStoneとはどのような製品か?

このインタビューでJohnson氏は、GemStoneを買った理由の1つ目はスケーラブルなデータベースの実現だと答えています。それをミドルティアで実現し、データベースそのものは変更せずに済むと。

Firstly, it allows applications to scale horizontally and elastically, in the middle tier, often without needing to change or scale the database,

そして2つ目はデータベースの大きな性能向上です。

Secondly, it can significantly improve performance by reducing latency in many applications,

そのGemStoneとはどのような製品なのでしょうか? Johnson氏はブログ「SpringSource To Acquire GemStone Data Management」でこう書いています。

GemStone products, like GemFire Enterprise and GemFire SQLFabric, are used to build high-performance, data-intensive solutions to scale applications by providing fast and reliable access to data. The core enterprise data fabric virtualizes data from multiple sources and formats into memory across physically distributed systems and cloud architectures. This enables applications to reliably share, store, update, and route large volumes of data in real time and with low latency.

GemStoneの製品、GemFire EnterpriseとGemFire SQLFabircなどは、ハイパフォーマンスでデータ中心的なソリューションにおいて、データに対して高速で信頼性の高いアクセスを提供することによるスケーラビリティを実現する。

そのコアとなるエンタープライズデータファブリックは、複数のデータソースを仮想化し、クラウドアーキテクチャ上で分散された物理メモリ上に展開する。これによりアプリケーションは、信頼性のあるデータの共有、ストア、更新、そして小レイテンシでリアルタイムに大量のデータをやり取りできる。

つまりデータベースの手前にミドルウェエアとして高速なキャッシュを構築する。それをクラウドベースの分散サーバ上で実現する、というソフトウェアのようです。

クラウドにおけるdata at restの問題も解決

また前述のインタビューでJohnson氏は、GemStoneがクラウドにおける「data at rest」の問題も解決するとしています。「data at rest」の問題とは、セキュリティや法規制などの理由により、データの物理的な保存場所と、それを処理するアプリケーションが離れて存在せざるを得ないという問題です。

個人情報や取引情報など、企業が社外に出したくない情報、あるいは法律によって移動が規制されている情報であっても、クラウドの大規模な処理能力によって分析したいというニーズは当然でてくるでしょう。

データはクラウドに置けないが、大規模処理はしたい、という問題が「data at rest」の問題であり、これもGemStoneの強力なデータキャシュ機能によって解決する、ということでしょう。

インメモリデータベース、メッセージングにも投資

VMwareはGemStomne買収の以前から、オープンソースとして開発されているキーバリュー型データストア型インメモリデータベースの「redis」のリードプログラマSalvatore Sanfilippo氏も開発チームに迎え入れています。また同じくオープンソースのエンタープライズ向けメッセージングサーバを開発している「RabbitMQ Technologies」の買収も行っています。

インメモリデータベースもメッセージングサーバも分散した環境でスケーラブルなデータストアを実現するために重要な役割を果たすソフトウェアです。VMwareは自力でスケーラブルなデータストアを実現するための買収行動を続けてきたことがはっきりと分かります。

(長くなったので後編に続きます

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タグ : VMware , クラウド , リレーショナルデータベース



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