OpenAIやマイクロソフト、メタ、シスコ、AMDらがイーサネットをAI向けに広帯域かつ低遅延にする「Ethernet for Scale-Up Networking 」(ESUN)プロジェクト開始
生成AIの急速な普及と成長によって、データセンターにおける生成AIの学習や推論処理を高速かつ効率化するために、より広帯域で低遅延な高密度ネットワークへの要求が高まっています。
こうした用途のために、Compute Express Link(CXL)やNVidiaのNVlinkなどいくつかのソリューションは市場に投入されているものの、これらは多くのベンダが求めるようなオープンで相互運入可能なニーズに最適化されているわけではないとして、Open Compute Project(OCP)が「Ethernet for Scale-Up Networking」(ESUN)プロジェクトの開始を発表しました。
OpenAI、MS、AMD、シスコなど主要ベンダが設立
OCPは、2011年にFacebookが中心となって設立したデータセンターのハードウェア設計をオープンソース化する団体です。
今回発表されたESUNプロジェクトは、このOCPの年次イベントとして10月にカリフォルニア州サンノゼで開催された「OCP Global Summit 2025」で発表されました。
設立メンバーにはAMD、Arista、ARM、Broadcom、Cisco、HPE Networking、Marvell、Meta、マイクロソフト、NVIDIA、OpenAI、Oracleが名前を連ねています。
AIのための高速かつ低遅延なイーサネットを実現
ESUNプロジェクトでは、AIのためのアクセラレータプロセッサ(XPU)で高性能なクラスタを構築するために、イーサネットをベースにより広帯域低遅延を実現するオープンスタンダードベースのソリューションを実現しようとしています。
Aristaのブログ「The Sun Rises on Scale-Up Ethernet」によると、ESUNプロジェクトではまず以下の技術についてアプローチすると説明されています。
L2/L3フレーミング
低遅延、高帯域幅を要求するワークロードのために、Alヘッダをイーサネット上でカプセル化します。
エラーリカバリ
パフォーマンスを損なうことなくビットエラーを検出し、修正します。
効率的なヘッダー
最適化されたヘッダによって回線効率を改善します。
ロスレストランスポート
既存の標準化された仕組みを活用し、一部のAl ワークロードに不可欠なネットワーク輻輳による性能低下を防ぎます。

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