米国におけるTikTokのデータの保存やコンテンツレコメンドなどは米国内のオラクルのクラウドで実行されると発表。中国ByteDanceから分離へ
中国ByteDance傘下のTikTok米国法人は、トランプ大統領による大統領令に従って、米国資本が過半数を持つ新会社「TikTok USDS Joint Venture LLC」に売却されたことを明らかにしました。
新会社はオラクル、米国投資ファンドのシルバーレイク、アブダビの投資会社MGXがそれぞれ15%の株式を保有し、ByteDanceも約20%の株式を保有。他にもマイケル・デル氏の投資会社など複数の投資会社などが株式の一部を保有します。
と同時に新会社は米国の国家安全保障の面で、米国のTikTokのデータ保存やコンテンツレコメンドのアルゴリズムが、オラクルが運営する米国のクラウド上で実行されることも発表されました。
TikTokが米国に対する脅威とされた
TikTokは中国北京に本社を置くByteDance社が開発運営しているモバイルアプリです。
スマートフォンを使って簡単に1分程度の短い動画を撮影し、それを面白く、あるいは可愛く簡単に加工できて共有できるソーシャルメディアとなっており、若者を中心に大きな人気を獲得しています。
しかし中国企業が運営するソーシャルメディアが米国内で大きな影響力を持つことは米国に対する脅威とされ、2024年には当時の米国大統領であったジョー・バイデン氏が米国におけるTikTok事業の売却を義務づける法律に署名しました。
2025年には、新たに大統領となったドナルド・トランプ氏もTikTok米国事業の売却に関する大統領に署名しました。
オラクルの米国クラウド上でデータ保存やアルゴリズム実行へ
TikTok米国事業が新会社に売却されたことにより、TikTokは引き続き米国内で継続してサービスが提供されることとなりました。
と同時に、新会社はTikTokが米国の国家安全保障の脅威とならないように、以下の措置を講じることを発表しています。
データ保護
米国のTikTokデータは、オラクルが運営する安全な米国クラウド環境によって保護される。同時に、新会社は第三者のサイバーセキュリティ専門家による監査および認証を受けた包括的なデータプライバシーおよびサイバーセキュリティプログラムを運営する。
アルゴリズムのセキュリティ
新会社は米国のユーザーデータに基づくコンテンツ推薦アルゴリズムを再学習し、テストの後にアップデートする。コンテンツ推薦アルゴリズムは、オラクルの米国クラウド環境で安全に管理される。
ソフトウェアの品質管理
新会社は、信頼できるセキュリティパートナーであるオラクルの支援を受けて、TikTokのソースコードの保護と継続的なレビュー、検証を行う。
信頼と安全
新会社は米国のコンテンツエコシステムを守り、信頼と安全の方針やコンテンツモデレーションに関する意思決定権を行う。
クラウドの大型案件が続くオラクル
オラクルのクラウドは現在、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloudの三大クラウドに次いで、第四位のシェアを持つとみられています。
オラクルは現在、上位3社に追いつくべく大型案件の取得を積極的に進めています。昨年(2025年)9月にはOpenAIに対するクラウド供給として44兆円という超大型の契約を結んだことが話題となり、また、同年7月には顧客名は明らかになっていないものの年間4兆5000億円のクラウド案件を取得したことを公表しました。
今回、米国におけるTikTokのデータ保存やアルゴリズムの実行もそれなりの規模であることは確実であり、オラクルのクラウドが猛烈な勢いで拡大していることは間違いありません。
果たして1年後、2年後にクラウド市場におけるオラクルのシェアがどのようになっているのか、注目しましょう。
参考:TikTok米事業、オラクルによる提携をトランプ大統領が暫定承認。なぜオラクルはTikTok事業を取りに行ったのか?

