ついにKubernetesからDockershimが正式に削除、Docker Engineのサポートが終了。今年最初のKuberenetes 1.24正式版がリリース

2022年5月10日

オープンソースとして開発されているコンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」の開発チームは、Kubernetes 1.24正式版のリリースを発表しました。今年最初のKubernetesのリリースとなります。

Kubernetes 1.24の最大の変更点は、「Dockershim」が正式に削除されたことでしょう。Dockershimは2020年12月にリリースされたKubernetes 1.20から非推奨となっており、そこから約1年半が経過した本バージョンのリリースで正式に削除となりました。

参考:Dockershimを非推奨とした「Kubernetes 1.20」が正式リリース。Graceful node Shutdown機能がアルファ版で登場など

今後さまざまなKubernetes関連の実装やサービスでKubernetes 1.24へのアップデートが行われると見込まれます。Dockershimが非推奨になってから十分な時間が経過しているため多くのユーザーはすでにcontainerdやcri-oなどDocker Engine以外のコンテナランタイムに移行したと思われますが、もしもまだKubernetesでDocker Engineを使っている場合には、早急な見直しが必要でしょう。

Dockershimが削除されるまでの経緯

DockershimはKubernetesでコンテナランタイムとしてDocker Engineを利用するためのブリッジの役割をしていたインターフェイスでした。

もともとKubernetesはコンテナランタイムとしてDocker Engineをサポートしていました。というのも、Kubernetesが登場したときにはコンテナランタイムは事実上Docker Engineしか選択肢がなかったためです。

しかしその後、CoreOSのrktを始めとするDocker Engine以外のコンテナランタイムが登場したことで、Kubernetesは複数のコンテナランタイムをサポートするべく、コンテナランタイムとのインターフェイスとして「Container Runtime Interface」(CRI)というAPIを新たに定義します。

このCRIをサポートするコンテナランタイムであれば、Kubernetes上で利用できることになるのですが、Docker EngineはCRI以前から存在していたこともあり、CRIをサポートしていませんでした。

そこでKubernetesはCRIとDocker EngineのブリッジとしてDockershimを同梱し、CRI策定後も継続してDocker Engineをコンテナランタイムとしてサポートしてきました。

しかしすでにcontainerd、cri-o、gVisor、Firecrackerなど、さまざまなコンテナランタイムの選択肢が登場したことで、KubernetesとしてはDockershimの役割を終えるタイミングが来たと判断したわけです。

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Junichi Niino(jniino)
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