コロナ禍でもブログでメシが食えるか? Publickeyの2020年[特別編]

2021年1月1日

2020年は多くの人や組織にとって、多かれ少なかれ何らかの変化が迫られる1年になりました。言うまでもなく新型コロナウイルスの感染拡大によって、人と人との物理的な接触が極力避けられるようになったためです。

僕の周囲でも、ほぼすべての打ち合わせや会議がオンライン化されただけでなく、展示会や記者発表、コミュニティなどあらゆるものがオンライン化されていきました。

メディアビジネスにおいてもこうした変化は業績に影響を与えています。

例えば僕の古巣でもあり、@ITやねとらぼなどを運営するアイティメディアが2020年10月30日に公開した第二四半期決算説明資料では、企業のマーケティングがオンラインへ移行したことを主要因に、売り上げ、利益ともに昨年と比べて大幅に上昇しています。

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アドネットワークを構成してさまざまなメディアに広告配信をしているログリーの第二四半期決算説明資料でも、非常事態宣言が発出された第一四半期には巣ごもり特需があったと説明されており、好調を維持。

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とはいえオンライン関係のメディア業界全体が好調だったわけではありません。

YouTuberが多数所属するUUUMは、巣ごもりでみんながYouTubeを見るようになってさぞかし業績が良かったのではないかと思いきや、2020年10月14日付の第1四半期決算説明資料では新型コロナウイルスの影響で昨年よりも減収だと説明されています。

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もちろん業績に関する企業の説明がつねに正しいとは限りません、結果に対してあとから適当な理由を考えて説明することはよくあることであり、それは上場企業でも同じです。

とはいえ、多くの人や企業がオンラインでの活動を活発化させた2020年であっても、上に挙げたオンライン関連のメディアビジネスがすべて好調だったわけではない、ということは見て取れると思います。

こうした中で弱小メディアであるPublickeyはどうだったのか。2年ぶりに売り上げなどを紹介したいと思います。

PublickeyはエンタープライズIT分野の広告直販ビジネス

さて、Publickeyの売り上げ報告は2年前に最終回を迎えたわけですが、こんなコロナ禍のなかで「君のところはどうなのよ?」というお問い合わせの声をいただいたこともあり、僕としてもこれまで個人メディアとしてのPublickeyの実態を赤裸々に紹介してきた中で、不透明さが増した2020年に対して多少なりとも透明さをお届けするのも悪くないかなと思い、2年ぶりに特別編として売り上げ報告をすることにしました。

例によってまずはPublickeyそのものの紹介をさせていただくと、おもにエンタープライズITの分野にフォーカスし、クラウドやシステム開発、Webテクノロジーなどを中心に専門性の高い記事を提供しているブログメディアです。

運営は基本的に僕一人で行っていて、日々記事を書くことに加えて、Webサイトを構築するためのHTMLを書き、お客様や代理店からの問い合わせに対応し、バナー広告やタイアップ広告を販売し、アドサーバへの設定や運用をし、掲載後のお客様への報告などを行っています。

個人事業主の新野淳一としては、Publickeyの運営以外に、ライターとして外部メディアへの原稿執筆や講演、パネルディスカッションのモデレータ、企業から業界動向について話を聞かせてほしい的な相談への対応などもしていますが、この記事ではPublickeyの部分のみにフォーカスしています。

Publickeyの売り上げはAdSenseやアフィリエイト広告に依存せず、バナー広告やタイアップ広告を直接販売しています。専門性の高いブログメディアでは必然的に読者数が絞られることになるため、クリック数に売り上げが連動するAdSenseやアフィリエイト広告では十分な売り上げがあがらないためです。

メディアの専門性が読者と広告主にきちんと評価されれば、広告の価格をある程度高い水準に保てます。現在、Publickeyではバナーを1カ月30万円、タイアップ広告も1本30万円で販売しています。いずれも税別です。詳しい広告の内容や値段は媒体資料をご覧ください

2020年のPublickey売上げ報告

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売り上げの前に、Publickeyの2020年のページビューを振り返ってみると、2019年あたりから見られた上昇傾向がやや一段落している状況、という感じでしょうか。

IT系の専門サイトということで、巣ごもり需要でPVが増えたとか、そういったこととはあまり関係がないように思えました。

続いて売り上げです。

2020年1月から12月までの1年間、Publickeyの売り上げは合計で1522万2323 円。内訳は、バナー広告や記事ライセンスが741万700円、タイアップ記事が770万1199円、AdSenseやAmazonアソシエイトなどが11万424円でした。

この場を借りて、年間を通じて広告をご出稿いただいたグレープシティ様、アドバンスソフトウェア様をはじめ、エクセルソフト様、日本IBM様、アシスト様、日本オラクル様、アスタリスト様、クリエーションライン様、サーバーワークス様、ジャスミンソフト様、スクラムフェス大阪様、ディバータ様、クライム様、エルピーアイジャパン様、CData様、Spelldata様、grasys様、レッドハット様、ネットワールド様、Rancher Labs様、モバイルアイアン様ほか(順不同)、扱っていただいた代理店様など多くのお客様にお礼を申し上げます。

そしてなにより、2020年もPublickeyをご愛読いただいた読者の皆様にお礼を申し上げます。ありがとうございました。

コロナ禍の影響は受けたのか?

2020年にPublickeyのビジネスがコロナ禍の影響を受けたかどうかが本題なので、そのために過去5年分の売り上げの数字を見てみましょう。

2016年:1632万円
2017年:1686万円
2018年:1450万円
2019年:1817万円
2020年:1522万円

どうでしょうか。過去5年のなかで2018年が一番小さな数字で、2020年は二番目に小さな数字になっています。

今年を振り返ると、多くの企業がリモートワークへ移行したとみられる4月~5月頃は、お客様からの問い合わせや打診が一時的に減ったように思えました。移行に際して少し企業活動が停滞したのかな、と推測しています。

月別の売り上げでは7月の売り上げが一番少なくなっています。これは問い合わせが2カ月後くらいに実際の案件として売り上げが立つというタイミングを考えると、たしかにコロナの影響による一般的な企業活動の停滞がPublickeyのビジネスに多少影響したようにも思えます。

とはいえエンタープライズIT業界を見回してみればコロナ禍による影響はあまり感じられませんし、知り合いのライターの皆さんも変わらず忙しくしているようです。個人的にはこの程度の売り上げの変動はコロナ禍が理由かどうかはよく分からない、というのが正直なところです。

僕自身の働き方についても、もともとずっと在宅で仕事をし、オンラインでの情報収集をメインにしていたこともあって大きな変化はなかったといえます。

というわけで、Publickeyも僕も、幸いにも仕事上はそれほど変わらず平穏に過ごせた2020年だった、と言えます。おかげさまで今年もブログでメシが食えたと言ってもよいでしょう。

これは別に僕が頑張ったとか、危機に備えて準備していたではなく単に幸運だっただけです。本当に幸いなことだと思います。

Publickeyの売り上げ報告は、また何か波乱の年があるようなら紹介するかもしれません(が、そのようなことが起こらないことを願います)。

2021年が読者のみなさまにとってよりよい年になりますように。

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Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
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