Kafka開発元のConfluentに聞いた。エンタープライズ市場への道筋、大手クラウドとの現在の関係について

2019年9月25日

分散メッセージングシステムのKafkaは、ビッグデータの処理基盤として欠かせないソフトウェアの1つです。

そのKafkaの開発者であり開発元のConfluent共同創業者であるJun Rao氏と、同社シニアディレクタのTim Attwood氏がNTTデータ テクノロジーカンファレンス2019に合わせて来日しました。

お二人に、Kafkaがここまで成功してきた要因、そして大手クラウドベンダに反発してオープンソースのライセンス変更に及んだ後のクラウドベンダとの関係について、現在の認識を聞きました。

fig Confluent共同創業者Jun Rao氏

Kafkaの成功要因はビッグデータ時代との合致、ソフトウェアの完成度

―― Kafkaはビッグデータ処理のシステムで非常に良く利用されていて、分散メッセージングシステムの分野のデファクトスタンダードとして成功しているソフトウェアだとされていますが、成功した要因とはなんだと思いますか?

Rao氏 理由はいくつかあると思います。まず、大規模データ処理への要求が拡大する時代にKafkaが合致していたということ、ノントランザクショナルなデータ処理への必要性が高まっていたこと、そしてノントランザクショナルデータ処理には新しいプラットフォームが必要で、Kafkaはそういったプラットフォームが必要だと多くの人が気づく前にオープンソースソフトウェアとして登場したこと、だと考えています。

また、Kafkaはオープンソースとしてリリースされる以前にLinkedInの社内でかなりのワークロードに試されていて、十分に使えるものであったこと。Apache Software Foundationのオープンソースの1つとしてリリースされたことも普及を促進した一因ではないでしょうか。

―― 企業向けのシステムを開発しているソフトウェアデベロッパーは、まだKafkaのようなソフトウェアには馴染みがないのが現状だと思います。これからKafkaがエンタープライズ向けに浸透していくとすれば、どのような形になると考えていますか?

Rao氏 米国では多くの企業がデジタルトランスフォーメーションの真っただ中です。そうした企業ではソフトウェアをどう活用するかがビジネスの成功要因になっています。

従来の企業もこれからソフトウェアによるイノベーションは避けられないでしょう。そうしたなかでKafkaの使いどころはいくつかあります。1つはよりよいユーザー体験のためのデータ分析、2つ目は不正検知やリスク評価、現状分析などによてサービスを進化させること。

また、企業のソフトウェアデベロッパーも、よりモダンなツールを求めるようになってきていて、あらゆるデータにアクセスしたいというニーズがあります。そのために従来のソフトウェアスタックからの脱却が始まっていて、Kafkaで大規模なデータをサポートできるモダンな基盤に移りつつあるとも思います。

fig Tim Attwood氏

―― 御社は昨年、大手クラウドベンダによるオープンソースの商用サービス化に反発して一部のソースコードのライセンスを変更しました。一方で、自社サービス拡大のためにGoogle Cloudとは協業しています。現在、クラウドベンダとの関係についてどう考えているのか、あらためて教えていただけますか?

Attwood氏 マーケットはクラウドへ向かっていると考えています。私たちのテクノロジも昨年を通じてクラウドネイティブを実現し、顧客はオンプレミス、クラウド、ハイブリッドクラウドのいずれであっても使えるようになっています。

Confluentの戦略として、大手クラウドベンダとはパートナーとしてやっていきます。Google Cloudとはそれを始めていますし、大手3社(AWS、Azure、Google)は重要なパートナーだと考えています。

いまの市場を見れば大規模データ処理の大きなムーブメントが来ています。そのなかでは協業も競合もありますが、私たちは差別化に自信を持っているのです。

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Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
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