Docker Cloud 1.0登場へ。買収したTutumをリブランドしDocker Hub と統合

2016年2月9日

Dockerが新サービス「Docker Cloud 1.0」をリリースすることが、同社が公開したリリースノートから明らかになりました。近いうちに正式発表されるものと見られます。

Docker Cloudは、同社が昨年買収したTutumをリブランドし、Docker ID(Docker Hub Accountから改名)などを用いてDocker Hub Registryと密に統合したもの。

Docker社は、コンテナ対応アプリケーションの開発から開発されたコンテナイメージの管理、コンテナ化されたアプリケーションのデリバリと運用管理まで、コンテナ化アプリケーションのライフサイクル全体を、自社のツールによって実現しようとしています。

下記は昨年11月に行われた「DockerCon Europe 2015」の基調講演で示されたTutum、つまりDocker Cloudの位置付けです。Tutumはコンテナ化されたアプリケーションをDocker Hubから取り出し、任意のクラウドやデータセンターへデプロイし、運用管理する機能を提供するサービスと位置付けられています。

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Docker Cloudは、Dockerコンテナの実行環境ではありません。対象となる実行環境は既存のクラウドやデータンセータに任せ、それを操作するためのSaaS型クラウドサービスなのです。

Docker Cloudが提供するのは、クラウドがDockerコンテナ機能を提供していなくても、Docker Cloudでコントロールしてコンテナアプリケーションをデプロイし、運用状況をモニタリングし、ローリングアップデートやフェイルオーバーなどの機能やスケーラブルな運用を実現する機能です。

こうすることで、個々のクラウドが提供するDockerの機能に依存することなく、世の中のクラウドをDockerのプラットフォームとして利用し、より安いクラウドへすぐに引っ越したり、複数のクラウドを組み合わせて可用性を高めるといった付加価値を提供しようというのが同社の目論見と言えます。

Docker Cloudのリリースは、そうした同社戦略を実現するピースの重要なひとつになるはずです。

Tags: Docker コンテナ型仮想化 SaaS

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Junichi Niino(jniino)
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