サーバレスアーキテクチャの「AWS Lambda」、米国東リージョンの一部のユーザーで障害。約3時間エラーや遅延など
開発者がプログラムを書くだけで、実行に関する手間はマネージドサービスとしてすべてクラウドに任せられる、いわゆる「サーバレスアーキテクチャ」は、クラウドを前提とした新しいアーキテクチャとして注目度が高まっています。
サーバレスアーキテクチャの基盤として代表的な存在が、Amazonクラウドの「AWS Lambda」です。
そのAWS Lambdaが6月23日午後6時頃(太平洋夏時間)から3時間ほど、米国東リージョンの一部のユーザーに対して障害を起こしていました。
AWS Service Health Dashboardでは以下のように報告されています。
9:20 PM PDT Between 6:00 PM and 9:00 PM PDT, a small number of AWS Lambda customers experienced increased error rates and increased latency in the US-EAST-1 Region. The issue has been resolved and the service is operating normally.
9時20分(太平洋夏時間)報告。午後6時から午後9時のあいだ、米国東第一リージョンにおいて、AWS Lamdaの少数のユーザーがエラー率の上昇とレイテンシの上昇を経験した。問題は解決し、サービスは通常に戻っている。
Amazonクラウドのオフィシャルな掲示板には、23日5時58分に「Lambda Down?」というスレッドが立ち、Health DashboardのLambdaの状態はグリーンなのに、なにをしても「Internal server error」が返ってくると報告。9人ほどのユーザーから同様の報告が書き込まれました。
Lambda上で本番用のアプリケーションを動かしていたあるユーザーは、強い調子で「これは受け入れられない」とし「API GatewayとLambdaにはクロスリージョンの冗長性機能を提供するべきだ」と主張していました。
ほかのユーザーらが掲示板に書き込んだ不満は主に、エラーについてと、エラーが出ているのにHealth Dashboardの状態がグリーンのままであることの2点。
スレッドの最後はAmazonクラウドの担当者からのもので、Health Dashboardに上記の報告をしたこと、および「Lambda teams are reviewing their posting guidelines to be more reactive for any future events. 」(Lambdaチームは報告ガイドラインを見直し、より迅速に対応するようにします」とのコメントでした。
マネージドサービスの可用性や品質にも当然ながら一定の限界があります。それをどこまで許容してシステムを構築するかは、サーバレスアーキテクチャであっても同様に考えなければならないことをこの症状は思い出させてくれのではないでしょうか。
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