KDDI、クラウド用サーバを台湾のODMベンダから直接調達していることを明らかに
GoogleやFacebook、Amazonといった大手クラウドベンダは、サーバの調達をサーバベンダから行うのではなく、自社でサーバを設計し、台湾などの企業に製造を依頼するといった形式で行っていることが知られています。
いかに自社のクラウドに最適化したサーバを低価格で調達できるかが、クラウドの競争力であるコストや性能に直結するためです。Facebookはそれをさらに推し進めて、サーバやラック、ネットワーク機器の設計などをオープンにする「Open Compute Project」を立ち上げています。
現在のx86サーバのシェアを見ると、1位を走るヒューレット・パッカードのシェア(約30%)よりも、無名のベンダの合計シェア(約40%)の方が大きくなっており、これはサーバ調達の世界では無名の製造ベンダの存在感が大きくなっていることを示しています。
KDDIが台湾ODMベンダからの調達を明言
KDDIは、同社が展開するIaaS型のクラウドサービス「KDDIクラウドプラットフォームサービス」で用いているサーバについて、いわゆるサーバベンダの製品を使わず、台湾でサーバを製造しているODMベンダから直接調達していることを明らかにしました。
KDDIクラウドプラットフォームサービスは、クラウド基盤ソフトにApache CloudStackの商用版であるCitrix CloudPlatformを採用。データセンターの設備から運用サポートまで、「キャリアに期待されるグレードのサービスを提供することを重視している」と同社クラウドサービス企画開発部長の藤井彰人氏。
サーバの調達についても藤井氏は「グローバルベストなものを自分たちで選び、決定してクラウドを作っていく」と方針を語っています。国内の大手クラウドベンダが台湾ODMベンダからサーバを調達していることを明言するケースは珍しいと言えます。
しかし今年3月にGoogleが「クラウドの価格もムーアの法則に従うべき」として、クラウドの価格競争を仕掛け、AmazonクラウドやMicrosoft Azureがそれを真正面から受け止めて価格競争を繰り広げている中、国内のクラウドベンダもその競争から逃れることはできません。
KDDIのように明言することはなくとも、サーバをどうやって安く調達するのかという選択肢の中で、台湾ODMベンダからの調達は外せないものになってくるでしょう。
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