[速報]AmazonクラウドがMySQLサービス開始、パッチもバックアップもおまかせ

2009年10月27日

Amazon Relational Database Service (Amazon RDS)

Amazon Web Servicesがクラウド上でMySQLをホスティングする「Amazon Relational Database Service (Amazon RDS)」のβ公開を開始しました。

インストール不要でMySQLの利用を開始でき、パッチ当てやバックアップなどもAmazonクラウド側で実行してくれるため、MySQLの導入や運用の手間を大幅に削減可能です。

MySQLのインスタンスは規模に応じて5種類が用意されています。

  • Small DB Instance : (1時間あたり0.11ドル)
    1.7 GB memory, 1 ECU (1 virtual core with 1 ECU), 64-bit platform
  • Large DB Instance : (1時間あたり0.44ドル)
    7.5 GB memory, 4 ECUs (2 virtual cores with 2 ECUs each), 64-bit platform
  • Extra Large DB Instance : (1時間あたり0.88ドル)
    15 GB of memory, 8 ECUs (4 virtual cores with 2 ECUs each), 64-bit platform
  • Double Extra Large DB Instance : (1時間あたり1.55ドル)
    34 GB of memory, 13 ECUs (4 virtual cores with 3,25 ECUs each), 64-bit platform
  • Quadruple Extra Large DB Instance : (1時間あたり3.10ドル)
    68 GB of memory, 26 ECUs (8 virtual cores with 3.25 ECUs each), 64-bit platform

ストレージ容量として5GBから1TBまでが用意されており、1GB確保するごとに1カ月0.1ドル、100万I/Oごとに0.1ドルの費用がかかります。

  • $0.10 per GB-month of provisioned storage
  • $0.10 per 1 million I/O requests

Amazon Web Servicesは、このAmazon RDSの特徴を以下のように表しています。

  • 容易な導入(Simple to Deploy)
    APIをコールするだけで呼び出せる簡単な導入
  • 管理されている(Managed)
    パッチやバックアップの心配が不要
  • 完全互換(Compatible)
    MySQLのすべての機能が利用可能であり、既存のアプリケーションもそのまま稼働
  • スケーラブル(Scalable)
    データベースの負荷に応じたCPUとストレージを提供
  • 高信頼性(Relaiable)
    Amazonクラウド上で稼働、自動バックアップによる高信頼性
  • Amazonクラウドの他サービスとの連係(Designed for use with other Amazon Web Services)
    Amazon EC2などとの連係が容易に可能
  • 安全性(Secure)
    ファイアウォールなどの設定が可能
  • 低コスト(Inexpeisve)
    使った分だけの支払い

また、今後は複数のゾーン上のMySQLでレプリケーションを行うハイアベイラビリティ構成や、あらかじめインスタンスを予約しておくサービスなども導入予定であることが明らかにされています。

PaaSベンダとして台頭してくるAmazon

Amazon Web Servicesは、Hadoopを用いたMapReduce処理を実現する「Amazon Elastic MapReduce」を4月に発表するなど、サーバとストレージを提供するIaaS(Infrastructure as a Service)から、ミドルウェアを提供するPaaS(Platform as a Service)へと守備範囲を広げており、今回のAmazon RDSの投入で、Windows AzureやGoogle App EngineなどのPaaSとの競合関係が強まるといえます。

特にリレーショナルデータベースの提供はPaaSの展開として非常にインパクトがあることで、既存のPaaSベンダはもちろん、これとAmazonクラウド内にプライベートクラウドを設定できるサービス「Amazon Virtual Private Cloud」を組み合わせることで、オンプレミスのデータベースベンダに与える影響も大きいと予想されます。

AmazonがさらにPaaSとしての立場を強化するべく、今後新たなミドルウェアのサービスを投入してくる可能性は非常に高いでしょう。

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