ブログでメシが食えるか? Publickeyの2013年

2013年12月26日

専門性の高い内容のブログを書くことが職業として成り立つのか? Publickeyは今年もそのことに挑戦し続けてきました

個人がオンラインメディアを運用するうえでもっとも手軽に売上げを上げる手段はAdSenseやアフィリエイト広告を利用することです。しかし専門性の高いオンラインメディアは必然的に読者数が絞られることになり、クリック数に売上げが連動するAdSenseやアフィリエイトでは十分な売上げは得られません。

そこでPublickeyではAdSenseやアフィリエイトに依存せず、広告を直接販売する方法に取り組んできました。今年、その売上げはどうだったのか、年末に恒例となったこの記事で報告しましょう。

いつかメディアを運営してみたい、あるいは文章を書くことを職業としてみたいという方々の参考になればと思います。

2013年のPublickeyの売上げ

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まずはページビューの振り返りから。もともとPublickeyはそれほど急成長するメディアではなかったのですが、それにしても今年はあまりページビューの伸びが見られなかった年になってしまいました。だいたい月間40万ページビュー前後といったところです。ここは今年の反省点ですね。

続いて売上げです。前述の通り、Publickeyの売り上げの特徴は、AdSenseやアフィリエイト収入の依存度が低く、主な売り上げを直販のバナー広告やタイアップ広告から得ている点です。バナー広告は定価で月間30万円から、タイアップ広告は定価で1本25万円から。詳しい広告の内容や値段は媒体資料をご覧ください。

2013年1月から12月までの1年間、Publickeyの売上げは合計で717万1759円でした。内訳は、バナー広告やテキスト広告などが404万6152円、タイアップ広告が212万2225円、AdSenseが54万4265円、Amazonアソシエイトが9万9117円、記事ライセンスなどその他が36万円でした。

この場を借りて、年間を通じて広告をご出稿いただいたグレープシティ様、アドバンスソフトウェア様をはじめ、NTTコミュニケーションズ様、リクルートキャリア様、Green様、ピーシーフェーズ様、マイクロソフト様、セールスフォース・ドットコム様、エンバカデロ・テクノロジーズ様、クロスワープ様、さくらインターネット様、ジャスミンソフト様、東京エレクトロンデバイス様などご出稿いただいたみなさま、扱っていただいた代理店さまに厚くお礼申し上げます。

そして何より、Publickeyを今年も支えていただいた読者の皆様にお礼申し上げます。

フリーランスとしての売上げ

個人事業主としてはブログの売上げとは別に、講演やモデレータ、原稿執筆などフリーランスとしての売上げもあります。2013年のフリーランスの売上げは、前述のPublickeyの売上げよりもやや少なかった、というところです。内訳でいえば、原稿執筆よりも講演やモデレータの仕事による売上げが相当大きくなっています。

その理由ははっきりしていて、自分でブログを運営してそこから売上げを上げている以上、同じ時間や手間をかけて外部のメディアへ原稿を書くのは原稿料が安くて割に合わなくなっているからです。もちろん、タイアップ記事など単価の高い原稿もありますし、原稿料に関係なく書いてみたい記事もありますので、全部を断るわけではありませんが。

一方で、講演やモデレータは時間あたりの売上げが原稿料よりも非常に大きく、パネルディスカッションのモデレータなどをすることでさまざまな人の意見に直接触れることができます。ですので講演やモデレータの仕事は、時間が許す限り対応しています。

こうしたフリーランスの仕事をいただけるのも、Publickeyでつねに情報発信をしているおかげであると強く感じています。ブログを通じて新野のことを知っていただくことで仕事につながることが多いので、フリーの人はブログを書くことをおすすめします。別にPublickeyみたいに売上げを上げるほど力を入れる必要はなくて、自分の専門性や能力をアピールすることで、お客様に見つけてもらえる手段として活用すればいいと思います。

ブログでメシは食えるか?

今年も何とかPublickeyの売上げが700万円を越えるところまで来たので、ブログでメシは食えるか? という問いには、ブログでメシが食えました、と言っても許してもらえるでしょう。

実は、昨年のPublickeyの売上げは835万円、今年は717万円なので、比較すると減少しています。ただ、これに危機感を感じているかというと、あまり感じていません。昨年「予想以上の売り上げがあったというのが正直な感想です。」と書いていたとおり、昨年の売上げはできすぎだったこと、昨年は一年中ずっと忙しかったので今年はそれほど頑張らないようにしたこと、そのために積極的な営業はあまりやらなかったこと(もともと営業は得意でないこともありますが)、などが理由として挙げられます。

アイティメディアで役員をしていた頃は、前年比マイナスなんてことになったらキリキリと胃が痛む思いで毎日を過ごさなくてはいけないのですが、今はそんな心配をする必要もない身分になってよかったなあと思います。

とはいえ、来年もこのまま何もしなくても売上げが維持できるとも思っていません。今年はあまり出来なかった改善や工夫をして、いまより商品力を高めること、効率的に売上げが上げられる方法などを考えなくてはいけないなと思っているところです。来年のPublickeyの売上げは今年を上回りたいですね。

ちなみに売上げにかかった経費ですが、間接的な経費としては家賃や電気代の一部、通信費などが含まれますが、これは会社に勤めていても同じようにお金がかかります。事務所も借りていませんから、Publickeyを運営する上でかかる直接的な経費といえば、さくらインターネットのレンタルサーバ代が年間2万5000円と交通費が月に1万円といったところでしょう。

さて、明日がPublickeyの今年最後の記事になります。年間人気記事ランキングをお届けする予定です。

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Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
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