Publickeyの運営、執筆、営業の舞台裏(執筆の巻)。2012年版

2012年12月26日

ブログを書くことを主な職業として4年になろうとしています。ブログを書き、広告を売るとは、具体的にどのようなことをすることなのか、興味を持っている方は多いと思います。

この記事は「Publickeyの運営、執筆、営業の舞台裏(営業の巻)。2012年版」の続きです。

システム環境と経費

PublickeyのWebサイトは、さくらインターネットのレンタルサーバ ビジネスを利用しています。年間2万5000円。これにMovableTypeをインストールしてCMSとして利用しています。CMSは自分のビジネスにとってもっともクリティカルな基幹システムであり、WordPressやPukiWikiなどもCMSとして検討しましたが、安定性、セキュリティ、性能、運用の容易さ、カスタマイズなどの面で検討すると、MovableTypeが自分にとってはもっとも優れた選択肢でした。

WebサイトのテンプレートなどWebサイトのデザインもすべてオリジナルで作成しています。来年はロゴやアイコンなどをプロの人にデザインしてもらおうかなあと思っています。

Publickeyの運営にかかる経費は、レンタルサーバの費用と、月に1万円強の交通費、自宅のインターネット回線費、雑誌や書籍などの費用などで、大した費用はかかっていません。確定申告の書類には、これに加えて家賃や電気代の一部なども経費としては計上します(青色申告してます)。

今後は、デザインなどの外注費や記事をほかのライターに書いてもらったときの原稿料なども経費として発生してくるかもしれません。

取材や情報源

ブログを運用する上で日常的に最も時間を費やすのが記事の執筆です。Publickeyでは複数の情報源を元にしています。

もっとも多く参照しているのが、RSSリーダーに登録した大量のブログやニュースサイトなどです。Google Readerに300以上のサイトが登録してあり、ほぼ毎日その見出しをざっとチェックしています。真っ先にチェックするのはHacker NewsGigaOmThe RegisterAll About MicrosoftSilicon Angleなどです。

メールボックスには毎日大量のプレスリリースや記者発表会の案内もやってきます。この中から取材に行く記者発表を選び、足を運ぶこともあります。ベンダ主催の記者発表だけでなく、展示会やコミュニティ主催の勉強会なども大事な情報源です。

ブロガーになりたてのころは、なかなか企業の発表会やイベントに呼んでいただけなかったのですが、最近では専門の記者とほぼ同じくらい、多くの企業の記者発表などに呼んでいただけるようになりました。

最近では海外のベンダのイベントがストリーミングで中継されることも増えてきました。時差の関係で深夜1時や2時から明け方にかけて、こうしたストリーミングを見て記事にすることもあります。

どの情報を選び、どんな切り口で記事にするのか。大量の情報収集と取捨選択にもっとも時間がかかります。その際に重視するのは、以下の3点です。

読者にとって重要であり、興味を持ってくれて、かつ(少なくとも日本語圏では)どこにも書かれていないような独自の記事が書けるのならば、それがPublickeyにとっての理想の記事です。いつもそのような記事を目指して情報を集め、切り口を考えています。

特に切り口というのは重要です。たとえ同じ記者発表会を報じた記事でも、切り口が違えばその記事から読者が受け取る価値は質も量も大きく異なります。発表会を例にすれば、その発表で企業が伝えたいことを記事にするのではなくて、読者にとって大事だと思われる点をクローズアップして伝える。これが切り口を考えることです。そして切り口の違いこそメディアの特徴の違いであり、それは記事タイトルに明確に表れます。

このあたり、本当はもっと詳しく説明したいのですが長くなってしまうので、それはまた別の機会に(そういえば切り口の話は昔、アイティメディアの新人研修で説明したことがあったので、資料が見つかるかな)。

何をどの切り口で書くかが、記事を書く上でいちばん時間がかかり、もっとも重要な部分です。それが決まって情報が集まって頭の中に入り、切り口も思い浮かんでしまえば、たいがいの記事は30分から長くても2時間もあれば書けるでしょう。もちろん書くだけで何時間もかかる例外的なものもときどきありますが。

Publickeyでは、平日はだいたい記事を2本公開するようにしています。

タイトルとSEO

記事の本文をどう書くかについては、すでにいろんな説明が世の中にあるのでここでは割愛します。個人的に思うのは、文章は訓練でうまくなれるということです。僕もまだまだですが。

記事を書くエネルギーの4割くらいはタイトルを決めるのに残しておきましょう。僕は、適切なタイトルが思いつくまでなかなか記事を書き始められません。いいタイトルがつかなければ、オンラインの記事としてはすでに半分失敗しているようなものです。

いいタイトルとはどんなタイトルかは説明が難しいですが、記事の内容と魅力がすぐに伝わって、重要なキーワードがちゃんと含まれていること、でしょうか。読者にクリックしてもらえて、SEOにも有利なものを考えなくてはいけません。もちろんオーバーな表現は慎まなくてはなりません。だいたい、適切なキーワードを思い浮かべて、それを組み合わせてタイトルにすることが多いですね。

最初にタイトルを考えてから本文を書き始め、書き終えたらもういちどタイトルを見直すのが、いつもの手順です。最初に頭に浮かんで書き始めた文章が、書き終わってみると別のものになっていたということはときどきありますよね。一通り書いてみると、新しいタイトルのアイデアが浮かんでいることもありますし。

書き終えると、毎回ではありませんがジャストシステムの校正ソフトウェア「Just Right」でチェックしています(今日あたり、注文していた最新版が届くはずです)。人間のプロが行う校正のきめ細やかさにはまったくかないませんが、用語の統一や送り仮名のミス、てにをはの間違いなどのチェックには十分使えます。ただ、ちょうどいまは新しいPCに移行したばかりインストールされていないので、この記事は校正にかけていませんが。

継続すること

ブログを継続し続けることは簡単ではありませんが、それ以上に難しいのはきちんと品質を維持、向上させ続けることでしょう。

僕にとってブログは、自分で選んだ好きなテーマを好きなように書くことができて、お金を稼がせてもらっているプラットフォームですから、継続することにそれほどモチベーションを必要としたり、困難さを感じることはありません。個人という限られたリソースでつねにクオリティを保ち、上昇させようとすることはどうすればできるか、というところにいちばん難しさを感じます。

しかしその部分こそが結局は差別化と価値につながるのですから、ここに手を抜くわけにはいきません。Publickeyはまさにこの部分で勝負しているわけですし、今後もその手を緩めることなく勝負していきたいなあと思っています。

明日はPublickey今年最後の更新。年間記事ランキングをお届けします。

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