「Silverlightの戦略がシフトした、とはネガティブな意味ではない」マイクロソフトが真意を説明

2010年11月4日

「『Silverlight戦略とフォーカスがシフトしている』とは言った。しかしそれはネガティブな意味ではない」。先日の記事「マイクロソフトが戦略変更。HTML5が唯一のクロスプラットフォーム、SilverlightはWindows Phone 7のプラットフォームに」でも取り上げたマイクロソフトのボブ・マグリア氏の発言が「Silverlightはもう終わりだ」といった極端な反応を引き起こしたことについて、マグリア氏自身がSilverlight Team Blogにエントリ「PDC and Silverlight」をポストし、その真意を説明しています。

The Silverlight Blog - Home

マグリア氏は以下のことを強調したかったのだと書いています。

Silverlight戦略の概要

そしてマグリア氏は「Silverlightの戦略をシフトした」という発言については、以下のように説明しています。

I said, “Our Silverlight strategy and focus going forward has shifted.” This isn’t a negative statement, but rather, it’s a comment on how the industry has changed and how we’re adapting our Silverlight strategy to take advantage of that.

私は「私たちのSilverlight戦略とフォーカスの向かう先がシフトした」とは言った。これはネガティブな意味の発言ではなく、むしろ業界がいかに変化し、それにSilverlightの戦略を合わせてていくことで先んずるかについての発言だ。

これに続き、マグリア氏がSilverlight戦略として長い解説を書いています。その中から太字で強調された部分を引用して訳していきましょう。

Customers are demanding the richest possible client experiences, and developers are increasingly looking to build premium, tailored experiences optimized for specific devices.

顧客は可能なかぎりリッチなクライアント体験を求めている。そしてデベロッパーは、特定のデバイスに対して最適化され、上質で、きちんと仕立てられた体験を開発することに、より注目している。

Customers want to be able to deliver client experiences that are optimized for specific form factors.

顧客は特定のフォームファクタに最適化された体験を提供できるようになることを望んでいる。

Media delivery across the Internet continues to accelerate dramatically. Customers want HD, studio quality, premium media content.

インターネットを通じたメディア配信は劇的に加速している。顧客は高精細でスタジオ品質の上質なメディアコンテンツを求めている。

Lastly, there has been massive growth in the breadth and diversity of devices made by a wide variety of vendors providing both open and closed systems.

最後に、さまざまなベンダからのオープンな、あるいはクローズドな形で多数の種類のデバイスが急速に成長している。

これに続くパラグラフで、HTML5とiPhoneに関する下りがあります。

When we started Silverlight, the number of unique/different Internet-connected devices in the world was relatively small, and our goal was to provide the most consistent, richest experience across those devices. But the world has changed. As a result, getting a single runtime implementation installed on every potential device is practically impossible. We think HTML will provide the broadest, cross-platform reach across all these devices. At Microsoft, we’re committed to building the world’s best implementation of HTML 5 for devices running Windows, and at the PDC, we showed the great progress we’re making on this with IE 9.

Silverlightをスタートしたとき、世の中のさまざまなインターネットデバイスの種類は比較的少なかった。そして私たちはそうしたデバイスに対し、もっとも一貫性を持ち、リッチな体験を提供しようとしていた。

しかし世界は変化し、結果として、すべてのデバイスに対して1つの実装を実現することは現実的に不可能になった。私たちは、HTMLがこれらのデバイスに対しもっとも広範囲で、クロスプラットフォームなものだと考える。マイクロソフトはWindowsを実行するデバイスに対してHTML5のもっとも優れた実装を開発すると約束した。そしてPDCにおいて、IE9での進捗を紹介したのだ。

そして最後のパラグラフでこうも書いています。これがHTML5とSilverlightの関係を示すもっとも端的な説明だといえそうです。

The purpose of Silverlight has never been to replace HTML, but rather to do the things that HTML (and other technologies) can’t, and to do so in a way that’s easy for developers to use.

Silverlightの目的は、HTMLを置き換えることではない。HTMLが(そしてほかの技術が)できないことをデベロッパーが容易にできるようにすることだ。

Silverlight+HTML5の戦略

マグリア氏のこの説明をひとことでまとめることは困難ですが、あえてまとめれば次のようになるでしょう。

SilverlightとHTML5のどちらかを選ぶ、という問題ではないということ。しかしすべてのデバイスで実質的にクロスプラットフォームを実現するのはHTML5である、と同社が表明したことは、やはり戦略転換としての意味を持つといえるでしょう。

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カテゴリ Web技術 / JavaScript
タグ  HTML5 , Microsoft , Silverlight


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