Denoが大幅な方針変更を発表。3カ月以内にnpmパッケージへの対応を実現、最速のJavaScriptランタイムを目指しHTTPサーバを刷新

2022年8月18日

オープンソースのJavaScript/TyeScriptランタイム「Deno」を開発するDeno Landは、「Big Changes Ahead for Deno」(Denoの方向性の大きな変更)という記事を公開し、Denoのnpmパッケージへの対応や高速化などの新たな取り組みを発表しました。

今回の発表では、npmへの対応、最速のJavaScriptランタイムを目指す、企業向けサポート、という3つの大きな取り組みが示されています。

3カ月以内にnpmパッケージをインポート可能に

Denoは、Node.jsを開発したライアン・ダール氏らが中心となって開発した、サーバサイドでJavaScript/TypeScriptを実行するためのオープンソースのランタイムおよびフレームワークです。

あえてNode.jsとの互換性を捨て、Node.jsよりも優れたサーバサイドのJavaScript/TypeScriptを新たに開発するという選択をしているため、DenoではNode.js用のソフトウェアパッケージ機能であるnpm(Node Package Manager)には対応しておらず、npmで提供されるさまざまなライブラリヤフレームワークを利用することができませんでした。

しかしNode.jsにはnpmによる大きなエコシステムができあがっており、それがNode.jsにおけるデベロッパー体験を始めとする大きなアドバンテージとなっています。

そこでDeno Landは今回、新たな取り組みとしてDenoでnpmのパッケージを利用可能にすると発表しました。下記は「Big Changes Ahead for Deno」からの引用です。

We want Deno to be accessible and solve people's problems, and so we've been working on some updates that will allow Deno to easily import npm packages and make 80-90% of npm packages work in Deno within the next three months.

私たちはDenoをより利用しやすく、問題を解決できるものにしたいと考えています。そのため、Denoがnpmパッケージを簡単にインポートできるようにするためのアップデートに取り組んでおり、今後3カ月以内に80%から90%程度のnpmパッケージをDenoで動作できるようにする予定です。

Denoにnpmパッケージをインポートするには、次のようなコマンドが使われる予定とのことです。

import express from "npm:express@5";

最速のJavaScriptランタイムに、Denoはなる

Node.jsが実質的に切り開いてきたサーバサイドにおけるJavaScriptランタイムの分野は、現在ではNode.jsとDenoだけでなく、BunCloudflare WorkersFastly Compute@Edge、Amazon CloudFront Functionsなど、さまざまな選択肢が登場するようになりました。

当然、開発者はこうした選択肢のなかから適切と思われるJavaScriptランタイムを選択することになりますが、そのときにランタイムの実行速度は重要な指標の1つになることは間違いないでしょう。

特に最近注目されているBunは高速性を強くアピールしており、あえてNode.jsとの互換性を捨てて優れたJavaScriptランタイムを作るという選択をしたDenoとしては、高速性という重要な指標において簡単に競合に負けるわけには行かないのではないかと思われます。

おそらくそうした背景があったと思われる中で、今回Denoは最速のJavaScriptランタイムを目指すことを明確に示しました。

We are 100% confident that the technology stack Deno is built on, V8 and Rust, can deliver this. Deno's HTTP server is getting overhauled and we're happy to report that it is the fastest JavaScript web server ever built.

Denoを構成するテクノロジースタックであるV8とRustが、これを達成できることに我々は100%の自信を持っている。DenoのHTTPサーバは刷新されようとしており、これがこれまでに開発されたJavaScriptのWebサーバとして最速であることをここに喜んで表明したい。

企業ユーザー向けのサポートを開始

Denoはまた、最近の同社の調査でアクティブユーザーの約半数が仕事でDenoを利用しているという結果を受けて、企業向けのユーザーサポートにも取り組むことを表明しました。まずはフォームから必要事項を記入して送付すると、優先度に応じて対応を開始するところからとしています。

これ以外にもデベロッパー体験についても継続して改善に取り組むことを表明しました。

前述のようにサーバサイドのJavaScriptランタイムはオープンソースだけでなくCloudflareやFastlyのようなCDNプロバイダ、AWSのようなクラウドベンダなどが参入し始めており、今後さらに競争が厳しくなっていくことは間違いないと思われます。

そうしたなかでDenoはさらに積極的に前進していくことを明確にしたのが今回の発表の本意だったといえるでしょう。

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