PostgreSQL 14正式リリース。多くの接続を使用するワークロードや論理レプリケーションでの性能向上、可観測性の向上など新機能

2021年10月4日

オープンソースのリレーショナルデータベース「PostgreSQL 14」の正式版がリリースされました(日本語版のプレスリリース)。

PostgreSQLは毎年9月末から10月初旬にメジャーバージョンアップが発表されており、今年も順調に新バージョンが登場しました。

参考:PostgreSQL 13正式版リリース。B-Treeインデックスの重複排除、同一テーブル内でのVacuum並列処理など新機能

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多くの接続を使用するワークロードや論理レプリケーションでの性能向上

PostgreSQL 14では、頻繁に更新されるインデックスを持つテーブルのインデックスの膨張を軽減することが実現されており、また、クライアント側の機能として複数のクエリや結果を1つのネットワークトランザクションで送受信できることでクライアントのサーバに対する待ち時間が短くなる「パイプラインモード」が提供されました。

これらの改良などにより、多くの接続を使用するワークロードのスループットが大幅に向上しているとされています。

論理レプリケーションでは、これまでコミットされてからパブリッシャーからサブスクライバへとデータ転送が行われていましたが、PostgreSQL 14では進行中のトランザクションをサブスクライバにストリーミングできるようになりました。これにより、サブスクライバに大規模なトランザクションを適用する際のパフォーマンスが大幅に向上します。そのほかにもPostgreSQL 14では論理レプリケーションでの性能向上が図られています。

クエリ並列処理のサポートにもいくつかの改善が加えられました。並列シーケンシャルスキャンのパフォーマンスの向上、「PL/pgSQL」が「RETURN QUERY」コマンドを使用して並列クエリを実行する機能、「REFRESH MATERIALIZED VIEW」が並列クエリを実行する機能などです。

さらに、ネストされたループ結合を使用するクエリでは、PostgreSQL14で追加された追加のキャッシュによってパフォーマンスの利点が得られる可能性があるとのことです。

そのほか、データベース統計を収集するために使用される「ANALYZE」が独自のパフォーマンス改善により大幅に高速に動作するようになり、「COPY」コマンドの進行状況を追跡するWrite Ahead-log(WAL)アクティビティ、レプリケーションスロットに関する統計情報など、監視と可観測性を支援するいくつかの新機能などが追加されています。

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