Publickeyがおかげさまで5周年。5年前の予想は当たったか?

2014年2月27日

おかげさまで本日2月27日からPublickeyの6年目がはじまりました。ブログという小さなメディアで、しかも専門性の高いITの分野に絞ったコンテンツによるビジネスを実現させていこうという試みがなんとか5年も続けられたのは、多くの読者の方々、広告主や代理店の方々、取材させていただいたIT業界の方々のおかげです。ありがとうございます。

Publickeyのビジネスの状況については、毎年末に「ブログでメシが食えるか」シリーズとして報告していますので、ここでは5年前、Publickeyを立ち上げたときに自分なりの決意と予想を書いた記事「Publickeyを通じて僕が実現したい「小さなメディアの可能性を広げる」ということ」を読み返して、当時の決意や予想がこの5年でどこまで実現してきているのか、皆さんと一緒に確認したいと思います。

予想は2つとも外れました

5年前、まだPublickeyのページビューが月間数万ページビュー程度だった頃に、僕は次のように書いていました。

ざっくりと月間100万ページビュー程度、少なくとも月間50万ページビューは越えなければ、自分の食いぶちもまかなえないだろうと想像しています。

この予想は外れました。いまPublickeyのページビューは月間40万ページビュー弱といったところですが、自分の食いぶちを十分まかなえるほどの売上げを上げることはできています。いい方向に外れたと言っていいでしょう。

この頃はまだ次に書くようなアドネットワークをある程度当てにしていたことから、ページビューあたりの単価を少し安めに考えていました。そのために100万ページビュー程度が必要だと考えていたのです。しかし結局、自力で広告営業をすると方向転換したため、想定よりもページビュー単価が上がって、うまくビジネスのつじつまが合ってしまった、ということになりました。

そのもう1つの予想だったアドネットワーク/ブログネットワークは、結局日本では立ち上がりませんでした。

Publickeyの収益化を実現するために日本のブログネットワーク、特に専門性の高いブログを集めたアドネットワークを活性化させる。これが僕が考える2つ目のハードルです。これはさすがに一人でできることとは思っていませんので、Publickeyがその呼び水となればいいと考えています。

AdSenseをはじめとしたアドネットワークはもちろん国内にたくさんありますが、ブログごとの特徴を理解して広告主とマッチングしてくれる仕組みは、少なくともPublickeyをカバーしてくれるような仕組みは登場しませんでした。

この予想が外れることにはもう2年以上前に気がつき、自力で広告営業をまかなう方向に大きく舵を切っています。いまでもブログネットワークが登場してくれればいいなあと思ってはいますが、実際にそうなる可能性はほとんどなさそうです。

結局、Publickeyを始めたときのビジネス環境についての予想はまったく外れてしまったことになります。まあ、ビジネスというのはこんなものですよね。その中でどう対応していくかが大事なわけで。

最後の予想は道半ば

そもそもPublickeyで実現したいことは、こんな専門性が高くて読者が少ないためにアフィリエイトでは売上げが成立しないようなブログでもビジネスとして成立するのだ、ということを示すことでした。

それによって、高い専門性を持つ個人や小さな組織でも、独立し、オンラインメディアを運営して食べていけるよねと多くの人優秀な記者やライターが考えてくれて、メディアの多様化が広がっていくといいなと思います。

5年前に、僕は次のように書いています。

傾いていく大きなメディアの新しい受け皿ができて、メディアに健全な競争が増え、読者もいままで読めなかったような専門性の高い有益な情報が多く提供される。メディアを作りたい人のチャンスが増える。そういう状況を実現すること。実現には何年かかるのか分かりませんし実現できるのかどうかも分かりませんが、これが僕が Publickeyを通じて実現できたらいいな、と思っていることです。

この考えは今でも変わりません。毎年、ぼくが「ブログでメシが食えるか」シリーズで売上げやページビューやお客様の名前を赤裸々に公開しているのも、毎月ページビューを報告しているのも、いろんな人にそこから可能性やチャンスを感じてほしいからです。

それに万が一僕がこの先失敗したとしても、その経緯が教訓として残り、次に挑戦する人の糧になるでしょう。

もちろんこれについてはまだまだ道半ばです。半ばどころか最初の数歩を踏み出した程度かもしれません。それでも次の5年も、粛々とこの歩みを続けていくつもりです。引き続きご愛読、ご支援のほど、よろしくお願いします。

Tags: 編集後記

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Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
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