シスコの取締役に、セールスフォース・ドットコムのマーク・ベニオフ氏が着任
ネットワーク機器最大手のシスコは、セールスフォース・ドットコム CEOのマーク・ベニオフ氏を同社の取締役として迎えたことを明らかにしました。
シスコのジョン・チェンバース会長兼CEOはプレスリリースの中で以下のように発言しています。
Marc has changed the face of technology through his bold ideas around cloud computing and the social enterprise.
マークはテクノロジーの様相を変えてきた。それは、クラウドコンピューティングとソーシャルエンタープライズに関する大胆なアイデアを通してだ。
ベニオフ氏のクラウド視点に期待か
シスコはクラウド時代に向けた戦略として、サーバ市場への参入を2009年に発表し、ストレージ大手のEMC、仮想化ソフトウェア大手のVMwareと3社でVCE連合を結成するなど手を打ってきました。またビデオ会議システムやコラボレーションソフトウェアなどへの分野拡大も進めてきました。
一方で本業のネットワーク機器の分野では競争が厳しくなり、OpenFlowに代表されるSoftware-Defined Network分野への取り組みの遅れも指摘され、株価は一時期やや盛り返したものの現時点ではリーマンショックの頃とほぼ同程度に落ち込んでいます。
マーク・ベニオフ氏の取締役就任は、そうした同社に新しい視点と経験を持つ人材を迎えたかったことを示しているのではないでしょうか。
ちなみに、ベニオフ氏と共に新しく取締役に迎えられたのは、元米エネルギー庁次官のKristina M. Johnson氏で、これはシスコがエネルギー管理分野へビジネスを展開しているためと想定されます。
シスコの役員会は14人で、ジョン・チェンバース氏のほかに、スタンフォード大学学長のJohn L. Hennessy氏、ヤフー創業者のJerry Yang氏などがいます。
(追記 8/6:公開時にスタンフォード大学学長の名前を間違っていたので修正しました)