IBM、DevOpsを実現する統合ツール「SmarterCloud Continuous Delivery」発表。Jenkins、Chef、jUnitなど含み、ビルド、テスト、デプロイ、モニタリングを一気通貫に

2012年10月30日

IBMは、統合されたツールでシステムの開発からテスト、デプロイ、モニタリングまでを行うことで、開発チームと運用チームが分け隔てなく協調できる、いわゆるDevOpsを実現する統合ツール「SmarterCloud Continuous Delivery」を発表しました

DevOpsとは具体的な手法の名前ではなく、開発(Dev)と運用(Ops)が協力し合う方向性のことを指します。そのうえでDevOpsを実現する方法として一般的によく用いられているのは、アジャイル開発の考え方を運用にまで広げたContinuous Integration(継続的統合)やContinuous Delivery(継続的デリバリ)などです。本番環境に対してすばやく小さなバージョンアップを頻繁に繰り返す方が、たまに大きなバージョンアップを行うよりも品質やリスクをコントロールしやすく、結果として品質が高くてより早く市場のフィードバックを反映したサービスが実現できるわけです。

こうしたContinuous Deliveryを実現するためにはさまざまなツールが必要になります。ソースコード管理ツール、ビルドツール、テスト自動化ツール、デプロイツールに加え、デプロイ後の本番環境の挙動をモニタリングする運用監視ツールなどです。また、柔軟なデプロイに対応するにはクラウドのような柔軟でスケーラビリティのあるインフラが欠かせません。

ChefやJenkins、jUnitなどをサポート

IBMのSmarterCloud Continuous Deliveryは、その名前通りに継続的デリバリを行うための統合ツールとなっており、継続的デリバリを通してDevOpsを可能にします。製品には以下のようにRationalの製品を中心にビルドからデプロイ、テスト、モニタリングまでさまざまなツールがサポートされています。

ビルドツール

  • Rational Build Forge
  • Hudson
  • Jenkins

デプロイ

  • IBM SmartCloud Provisioning
  • IBM PureSystems
  • IBM Workload Deplyer
  • IBM Rational Automation Framework
  • Chef
  • カスタムスクリプト

テスト

  • IBM Rational Quality Manager
  • IBM Rational Test Workbench
  • jUnit
  • Cucumber

モニタリング

  • IBM SmartCloud Application Performance Management
  • IBM SmartCloud Control Desk

特徴的なのは、Jenkins、Chef、jUnitといったビルド、デプロイ、テストの分野でよく知られるオープンソースソフトウェアを含んでいることです。例えばChefのレシピでデプロイを定義でき、またChefの動作環境であるRubyもサポートしているためRubyのカスタムスクリプトも実行可能です。DevOpsの分野ではこうしたオープンソースが非常によく使われており、そうしたユーザーをエンタープライズ市場へ取り込んでいきたいという意図が見えます。

あわせて読みたい

DevOps 開発ツール IBM




タグクラウド

クラウド
AWS / Azure / Google Cloud
クラウドネイティブ / サーバレス
クラウドのシェア / クラウドの障害

コンテナ型仮想化

プログラミング言語
JavaScript / Java / .NET
WebAssembly / Web標準
開発ツール / テスト・品質

アジャイル開発 / スクラム / DevOps

データベース / 機械学習・AI
RDB / NoSQL

ネットワーク / セキュリティ
HTTP / QUIC

OS / Windows / Linux / 仮想化
サーバ / ストレージ / ハードウェア

ITエンジニアの給与・年収 / 働き方

殿堂入り / おもしろ / 編集後記

全てのタグを見る

Blogger in Chief

photo of jniino

Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
詳しいプロフィール

Publickeyの新着情報をチェックしませんか?
Twitterで : @Publickey
Facebookで : Publickeyのページ
RSSリーダーで : Feed

最新記事10本