ビジネスプロセスマネジメント(BPM)を成功させるための、テクノロジー以外の7つの要因

2010年2月17日

ビジネスプロセスマネジメント(BPM)とは、「“ビジネスプロセス”に「分析」「設計」「実行」「モニタリング」「改善・再構築」というマネジメントサイクルを適応し、継続的なプロセス改善を遂行しようという経営・業務改善コンセプトのこと」(@IT情報マネジメント用語事典より)です。

一般的には、個別業務の手順が「ワークフロー」であり、ビジネス全体にまたがる処理を「ビジネスプロセス」と呼ぶことが多く、BPMに対応するソフトウェアや、それを実現しようとするプロジェクトも大がかりになりがちです。

Gartner Identifies Seven Major Guidelines to BPM Project Success

そうしたBPMのプロジェクトをいかに成功させるのか、米ガートナーが「Gartner Identifies Seven Major Guidelines to BPM Project Success」(ガートナーが指摘する、BPMプロジェクトのための7つの主要なガイドライン)で明らかにしています。以下にその概要を紹介しましょう。

1- Limited scope.(範囲を限定せよ)

ITに関わる多くのプロジェクトでよく言われることして「スモールスタート」という言葉がありますが、BPMプロジェクトでも同じだとガートナーは指摘しています。60日から90日を超えない範囲で期日とプロジェクトの範囲を設定し、明確な結果にフォーカスするべきだとしています。

2- High value.(高い価値の実現を)

BPMによるビジネス価値の改善は、高い価値を得られるものにするべきである。

3- Clear alignment to goals.(目標を明確に掲げよ)

ビジネスプロセスの何を改善するのかについて、組織内のビジネスユニットのゴールや戦略をしっかりすりあわせることが大事。各部門の戦略がBPMによる改善と直接結びつくのであれば、BPMに対するポジティブな注目を得ることができる。

4- The right metrics.(正しい計測)

BPMによる改善の達成は、計測によって関係者の注目や信頼を得ることを通してのみ実現される。

5- Goal agreement.(ゴールの合意)

プロセスの利害関係者すべてが、どのような改善をするべきかについて合意するよう務めなければならない。これは簡単なように見えて、関係者がばらばらの「改善」という視点を持っていることがよくある。

6 -Enthusiastic business sponsor.(熱心な支持者たれ)

プロジェクトを速やかで良好に達成し、組織内に浸透させていくためには、熱心な支持者(主催社)が不可欠である。支持者は専任でなくてもかまわない。新しい、改善されたプロセスによってメリットを得る立場の人がよい。

7- Business user engagement.(現場を巻き込むべし)

実際のプロセスの中で働いている人たちを巻き込むことこそ、成功への大きな一助となる。彼らを巻き込むことで、そこで何が起きているのか新鮮な視点を得ることができ、プロセスを理解することが容易になる。

ガートナーのレポートでは、より詳細に7つの要因について解説しています。いずれにせよ、BPMというのは、ソフトウェアは道具であってテクノロジー以外の要因が非常に重要であることをあらためて認識させてくれます。

Tags: 業務アプリケーション システム開発

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Junichi Niino(jniino)
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