VMware、共有ストレージアレイを不要にする「Virtual SAN」を正式リリース。独自クラウドからの仮想デスクトップサービス(DaaS)も開始
米VMwareは、ソフトウェアによってサーバの内蔵ディスクをネットワーク越しに束ね、仮想的な共有ストレージアレイを実現する「VMware Virtual SAN(VSAN)」の正式リリースと、同社が提供するパブリッククラウドサービス「vCloud Hybrid Service」上でデスクトップ仮想化サービス(Desktop as a Service)「VMware Horison DaaS」の提供開始を発表しました。
サーバ内蔵ディスクを束ねて仮想共有ストレージアレイに
これまでライブマイグレーションなど仮想化ハイパーバイザのさまざまな機能を実現する上で、共有ストレージアレイが必要とされてきました。
今回正式版となったVSANは、各サーバに内蔵されているストレージをネットワーク越しに束ねて仮想的な共有ストレージアレイを実現するソフトウェアです。仮想化ハイパーバイザの機能を実現するのに、物理的な共有ストレージアレイが不要となります。
これにより高価な共有ストレージアレイの代わりにサーバ内蔵の安価なSSDとHDDが活用できることや、よりきめこまかいサービスレベルの設定の実現、サーバのストレージを追加することで仮想化共有ストレージアレイを拡張できるスケールアウト型の拡張性といったメリットがあります。下記はVMwareの資料から。
VSANでは分散したストレージを束ねた上で高速な仮想ストレージを実現するために、ハードウェアの条件として、各サーバにSASかSATAのSSDもしくはPCIeフラッシュストレージ、およびSASかSATAのHDD。そしてVSAN専用の1Gbイーサネットもしくは10Gbイーサネットを必要とします。
VSANの正式リリースによって本格的なストレージ仮想化の幕が開くのかどうか、注目されます。
クラウドで仮想デスクトップサービスを提供
VMwareは昨年5月にパブリッククラウドサービスの「vCloud Hybrid Service」を発表。8月から正式にサービスを開始しました。
そのvCloud Hybrid Service上で、同社は仮想デスクトップサービス「VMware Horison DaaS」を発表しました。
仮想デスクトップサービスは、昨年11月にAmazonクラウドが「Amazon WorkSpaces」 を発表して話題になりました。Horison DaaSは、オンプレミスで仮想デスクトップを実現するVMware Horison Viewと互換性を持つために管理ソフトウェアの連係などをメリットに、企業向けの仮想デスクトップサービスとして打ち出していくと思われます。
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