Fusion-ioのCTOに聞く。相次ぐ競合製品に対する優位性は? NAND型フラッシュの先をどう考えているか?

2012年8月30日

フラッシュメモリを採用し、I/O性能を劇的に引き上げた新しいストレージで頭角を現した新興ストレージベンダのFusion-io。同社がほぼ単独で切り拓いてきたPCIe接続のサーバ内蔵型フラッシュストレージには、EMCやIBMといった大型ベンダが相次いで参入を表明しています。

こうした競合に対して新興ベンダとしての同社の優位性、そして微細化の限界に近づいていると言われるNAND型フラッシュメモリのこの先はどうなるのか。

来日したFusion-ioのCTO兼エグゼクティブ・バイスプレジデント、ニール・カーソン(Neil Carson)氏に聞きました。

fig

競合に対するFusion-ioの優位性

──── PCIeの接続するフラッシュストレージとしては、IBMやEMCなどから競合製品が登場しています。競合と比較して、Fusion-ioの技術的な優位性はどこにありますか?

カーソン氏 これまでを振り返って説明しましょう。6年前、PCIe接続のフラッシュストレージを開発したときには、クレイジーなアイデアだと言われました。しかし幸いにも、現在では多くのユーザーに恵まれています。

5年前、私たちはMLCのNAND型フラッシュメモリをエンタープライズ向けに利用した最初の会社でした。MLCはiPhoneなどに使われている安価なコンシューマ向け製品で、より安価で大容量な製品を実現します。

MLCは微細化が進むにつれて、特に性能面、信頼性の面でエンタープライズ向けの製品にするのが難しくなります。しかし私たちは独自のシグナル処理、エラー処理スキーム、フラッシュメモリの管理などを用いて競合他社のどこよりもうまくやっています。

さらに、データセンター内に分散して使われているフラッシュドライブを統合管理するツール、フラッシュドライブを共有ディスクアレイのキャッシュとするソフトウェアなどの提供も始めています。

競合他社はようやくPCIe接続のフラッシュストレージを出したところで、まだMLC型NANDフラッシュをうまく扱えていません。私たちから見て5年前、6年前の状況です。

──── ioDriveを搭載したx86サーバを、NASのような共有ストレージにするソフトウェア「ION Data Accelerator」のリリースは大変興味深い動きです。

カーソン氏 これを最初に導入した企業は、シスコのUCSサーバを導入していました。そしてION Data Acceleratorを使うことで共有ストレージもUCSサーバにできたことで、より高性能で、UCSサーバの管理ツールで統一的に管理できるようになったとのことです。

ION Data Acceleratorの背後には、ソフトウェアベースのアプライアンスへのトレンドがあります。すべてはこの方向へと進んでいくのではないかと思います。

NAND型フラッシュの微細化の先をどう見る?

──── フラッシュベースのストレージは、今後ハードディスクを置き換えるほどコモディティ化すると予想していますか?

カーソン氏 フラッシュがハードディスクを置き換えるか? すでにWebスケールのデータセンターではそうなっています。これらのデータセンターでは、アクティブなデータがハードディスクに書き込まれることは、すでにありません。

ただしトラディショナルなエンタープライズの領域では、まだ数年かかるのではないでしょうか。

──── NAND型フラッシュメモリは、細密化が進むにつれて扱いが難しくなっていきます。この先の不揮発性メモリテクノロジーについて、どう見ていますか?

カーソン氏 もちろん、フラッシュテクノロジーの細密化にはどこかで終わりが来ます。この先さらに微細化が進むと、3D構造で積み上げていく構造にしていくことで密度をあげていくことになるでしょう。

その先にPCRAMやMRAMといった新しいテクノロジーが来ます。

しかしフラッシュはiPhoneなどのコンシューマ製品が牽引役となっているので、多くの人が考えている以上にまだ使われていくと思います。

私たちが提供するのは、アプリケーションを高速で実行できるためのリーズナブルなプロダクトです。いずれiPhoneが新しいテクノロジーを使うようになり、PCRAMやMRAMといったものが低価格化してきたら、おそらく私たちもそれらを使うようになります。

──── フラッシュのような不揮発性メモリは、この先コンピューティングをどう変えていくとお考えですか?

カーソン氏 私は将来の予想は得意ではないですが、少し考えてみましょう。

いまデータセンターではフラッシュストレージの採用で、サーバの高速化やそれによるサーバ台数の削減といったことが起きています。こうしたネット企業で起きていることが、いずれトラディショナルなエンタープライズでも起きてくるでしょう。

現時点で、ストレージはデータのアトミシティ(原子性)、一貫性、トランザクションといったことを実現してくれます。同じことが不揮発性メモリを使うことでアプリケーションから操作できるようになり、メモリをストレージのように扱えるようになると思います。これはアプリケーションプログラマにとって非常にエキサイティングなことだと思います。

このエントリーをはてなブックマークに追加
follow us in feedly

カテゴリ サーバ / ストレージ / ネットワーク
タグ  Fusion-io , SSD , ストレージ , フラッシュストレージ


次の記事
HadoopをWindows上の仮想マシンで手軽に試す方法

前の記事
VMware、クラウド構築を実現する「vCloud Suite」を発表、フラッシュストレージも仮想化へ。VMworld 2012


カテゴリ



Blogger in Chief

photo of jniino Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
詳しいプロフィール

Publickeyの新着情報をチェックしませんか?
Twitterで : @Publickey
Facebookで : Publickeyのページ
RSSリーダーで : Feed



新着記事 10本


PR - Books


fig

fig

fig