Android3.0搭載タブレットをCES2011でデモ、Androidの勢いが加速

2011年1月11日

(本記事は、ゲストブロガーのITジャーナリスト 星暁雄氏による投稿です)

Androidの成長の曲線はこれまでのところきわめて急峻だ。そして、この成長に対してさらにアクセルを踏むことになる動きが出てきた。タブレット向けに開発されたAndroid 3.0である。

fig Motorola XOOM

米ラスベガス市では、International CES2011が開催された。展示会場では、多数のAndroidスマートフォンやAndroidタブレットが登場し、そして米キャリアVerizonの基調講演の中ではGoogleの担当者による10分間にわたるAndroid3.0、コード名「Honeycomb」のデモが繰り広げられた。

デモ機となったのは、米Motorolaがこの2011年第1四半期にも発売する予定のタブレット端末「Xoom」だ。

CES2011で早くもAndroid 3.0のデモ

最新版のAndroidであるAndroid2.3、コード名「Gingerbread」は2010年12月に登場したばかりだ。市場で入手できるAndroid2.3搭載スマートフォンは今のところGoogleブランドの「Nexus S」1機種だけ。

このような微妙な時期であるにも関わらず、米Googleはさらに次世代のAndroid3.0を発表したのだ。近日中に発表が予想されるAppleのiPad後継機の発表に先手を打った、という側面もあるだろう。それ以上に、Androidの成長が「アクセル踏みっぱなし」の時期に入っているということなのだろう。

このAndroid3.0の内容については、米Googleが公開したプレビュー・ビデオ(公式Blog記事(ビデオあり))や、CES2011での基調講演でのデモ(SlashGearの記事(ビデオあり))が、現時点で手に入る最新情報である。デモで使われたのはタブレット端末「Motorola Xoom」(発表資料)だ。最大1GHz動作のデュアルコア・プロセッサを搭載し、画面サイズは10.1インチ、解像度は1280×800画素である。

タブレットを前提とし、大幅にUIを作り替えたAndroid 3.0

デモ・ビデオを見て分かることは、まずHoneycombがタブレット端末の大きな画面サイズを前提として、従来のAndroidとは大幅にUI(ユーザー・インタフェース)を作り替えたことだ。3D(3次元)スタイルで複数のホーム画面を切り換える様子はなかなかカッコいい。大振りになったウィジェットをタッチして新着メールをスクロールさせているデモは、ちょっと未来的な印象を与えてくれる。GMailアプリのデモでは、画面を2つのペインに分割して有効利用するUIデザインも取り入れている。これはiPadのUIで「SplitView」と呼ばれているものと同様の機能と思われる。そして新たなGoogle Map5.0で加わった3D機能は、大画面で実行するととても見映えがよい。

基調講演のデモでは、Google Mapの3D機能を示す場面で拍手が巻き起こっている。2本指でタッチして下方向に動かすと、2次元の地図が3次元表現の地図に変わる。この場面では、画面が「起き上がる」ような新鮮な印象がある。さらにタッチ操作で視点を回転させ、3D表現の地図を自在に操作して見せている。実は、同じ機能は現行のAndroid2.2上のGoogle Map5.0でも試せるのだが、タブレット端末Xoomのグラフィックス性能の高さを示したデモと言える。

Xoomのような次世代タブレット端末とAndroid3.0、それに最新のGoogle製アプリの組み合わせは、Apple iPadのような現行タブレット端末のユーザーにとっても斬新なユーザー体験を与えてくれるだろう。

Androidはフォークするのか

こうして、Android2.3とAndroid3.0が1カ月間隔で披露されたことになる。それぞれ意欲的なOSである。2つのAndroidはどのような位置づけになるのだろうか? 

Android2.3は、スマートフォン向けの最新のAndroid OSである。一方、Android3.0は、次世代のAndroidであると同時に、特に大きな画面を備えたタブレット端末向けに設計された新OSである。ただ、タブレット以外の端末には3.0は載らないのかといえば、そうでもなさそうだ。Googleの公式Blogには「次のバージョンのAndroid」と明記されており、バージョン名の「3.0」も2.3の後継であることを示しているものと考えられる。またスマートフォンの新機種Xperia arcに関するスペイン語版の公式Blogには「当初は2.3を搭載、将来は3.0へのアップグレードを予定」と記載されている(関連リンク)。

ただし、Android2.3が2010年12月にリリース、Android3.0が2011年1月にプレビュー版をデモというスケジュールを見ると、それぞれ異なるチームが開発に携わっているのではないだろうか。以上のことを考えると、中長期的にはAndroid3.0が後継OSになるとしても、しばらくの期間は2.3系統と3.0系統の2種類のAndroidがそれぞれ最新版として並立するという状況が続く可能性があるだろう。

Googleが公開したAndroid 3.0「Honeycomb」のデモビデオ。1分33秒。

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タグ : Android , Google , モバイル



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