マイクロソフト幹部「Windows Azureの売上げ寄与は数年後」「オラクルの垂直統合はまるで70年代だ」

2010年2月26日はてなブックマーク del.icio.us Twitter

マイクロソフトのクラウド「Windows Azure」は、同社CSA(Chief Software Architect)のレイ・オジー氏が中心となって開発してきました。しかし今年の正式公開に先立ち昨年の12月にレイ・オジー氏の下を離れ、Windows ServerやSQL Serverなどと共にサーバ&クラウド部門がWindows Azureを担当するという組織変更が行われています。

Microsoft: Cloud revenue to hit in a couple years

そのサーバ&クラウド部門の責任者がボブ・マグリア(Bob Muglia)氏。同氏はクラウドがIT業界を変えていくという強気の見方を示しつつも、Windows Azureが本格的な売上げに寄与するのは数年後だろうという見方を示しています。サンフランシスコで行われたイベント「Goldman Sachs technology conference」での発言を複数のメディアが報じています(SearchCloudComputing.comThe RegisterNetworkWold)。

Windows Azureが本格的な売上げに寄与するには数年かかる

マグリア氏は、クラウドコンピューティングが企業がハードウェアを購入したりソフトウェアを開発する方法を変えていくだろうと発言し、同社内での投資も、顧客からの興味もクラウドに重点が置かれているとしながらも、Windows Azureの売上げが1ビリオンドル(10億ドル、約900億円)を超えて本格的な売上げに寄与するのは数年かかり、それまではWindows ServerやSQL Serverが部門の売上げを支えていくとの見方を示しています。

また、サーバの提供方法が大きく変わるだろうとの予想もマイクロソフト自身の例を挙げて紹介。同社はかつてハードウェアをラック単位で購入していましたが、現在は2000台のサーバとペタバイトクラスのストレージの詰まったコンテナをデータセンターに配置する方法に変わったとのこと。「この変化は長期的にサーバの提供方法に大きなインパクトを与えるだろう」(マグリア氏、SearchCloudComputingから)。

マグリア氏はオラクルがサン・マイクロシステムズを買収し、ストレージ、サーバ、OS、アプリケーションまで垂直統合を実現しようとしたことにも否定的な見方を示しています(Ther Registerから)。

It's the back to the future sort of trend of this highly verticalized company that feels a lot like the mini-computer companies of the 1970s,

バック・トゥ・ザ・フーチャーのように、あの垂直統合された企業にはまるで1970年代のミニコン企業のような感じを受ける。

成長の大きさには驚かされる

マイクロソフトの最大の資産である多くのデベロッパーを速やかにWindows Azureへと移行させ、また既存の多くのWindows ServerアプリケーションもWindows Azure対応にしてもらう。これをWindows ServerやSQL Serverとの高い互換性によって支えるのがWindows Azureの戦略ですので、Windows ServerやSQL Serverと同じ部門がWindows Azureを担当していることは、これを完全に反映したものになっています。

それにしてもマグリア氏の「本格的な売上げに寄与するのは数年かかる」という発言は、裏を返せば数年で1ビリオンクラスの売上げをWindows Azureから上げることを示しており、わずか数年でそこまでWindows Azureが大きなビジネスになるという予想には(否定的な意味ではなく)単純に成長の大きさに驚かされます。

一方で垂直統合に対する(SearchCloudComputingの記事ではこれはCisco、VMware、EMC連合への言葉とされていますが)コメントは、ソフトウェア専業ベンダーとして多くのハードウェアベンダとパートナー関係にある同社のポジションからして当然のコメントといえます。

しかし、クラウドも内部を見ればストレージ、ハードウェア、OSなどの要素をクラウドベンダが独自の手法で垂直統合したものであり、それをパッケージとしてではなくサービスとして提供するだけの違いです。つまり、クラウドでもオンプレミスでも業界のトレンドが垂直統合に向かっていることは明らかで、マグリア氏も恐らく内心ではそのことを理解しているはずです。

数年後にWindows Azureが大きな成長を見せ、Windows ServerやSQL Serverを超えることがあるとすれば、そのときには「マイクロソフトによって独自に垂直統合されたWindows Azureだからこそ、どのベンダよりも大きな価値を提供する」といった発言をしていてもおかしくないでしょう。


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