グーグルがO3Dの方針変換。WebGLに標準を統一し、O3DはJavaScriptライブラリへ

2010年5月10日

Webブラウザ上で3D表示(立体表示ではなく、遠近法などを用いた表示)を行うための仕様として、グーグルは昨年の4月にO3Dの開発を発表し、一方でモジラを中心にしたWebGLもそれ以前から標準仕様として開発が進められていました。

Chromium Blog: The future of O3D

先週5月7日付けのグーグルの「The Chromium Blog」にポストされたエントリ「The future of O3D」で、グーグルはO3Dはこれまでの方針を変更し、WebGLをベースとしたJavaScriptライブラリとすることを明らかにしました。これにより、Webブラウザでの3D表示の標準APIはWebGLに一本化されます。

性能と環境に対するWebGLの懸念が払拭された

グーグルがWebGLではなくO3Dを開発していた理由として、WebGLに関する2つの懸念があったことを明らかにしています。

1つはWebGLの性能です。WebGLはHTML5のCanvas要素の拡張APIとして定義されているため、JavaScriptで描画を行います。そのため、グーグルはWebGLの性能を心配していました。

we were concerned that JavaScript would be too slow to drive a low-level API like OpenGL

OpenGLのようなローレベルのAPIをドライブするにはJavaScriptは遅すぎるのではないかと懸念していた

もう1つの懸念は動作環境についてです。WebGLはOpenGLをベースにしていたため、OpenGL対応のグラフィックドライバをインストールすることが動作環境の条件になっていました。それがWebGL普及の妨げになるのではないかと懸念されていたのです。

しかし、いずれの懸念も払拭されたと、今回のポストで次のように書かれています。

JavaScript has become a lot faster. We've been very impressed by the demos that developers have created with WebGL, and with the ANGLE project, we believe that Chromium will be able to run WebGL content on Windows computers without having to rely on installed OpenGL drivers.

JavaScriptはまったく高速になった。私たちは、デベロッパーたちがWebGLとANGLEプロジェクトで作ったデモに感銘を受けた。いまではChromiumはOpenGLドライバをインストールしていないWindowsマシンでも、WebGLを動作させることができるだろうと信じている。

ANGLプロジェクトとは、OpenGL ES 2.0 APIをDirectX 9APIにマッピングすることで、OpenGLドライバなしでWebGLによる高速な描画を実現するためのプロジェクト。

JavaScriptの動作は懸念を払拭するほど高速になり、また描画はDirect X9で行えるようになったためOpenGLドライバが不要になったのです。

Cnavas 2DとCanvas 3Dが揃うことになる

HTML5では今年に入ってCnavas要素のAPIが「HTML Canvas 2D Context」として分離されました。いずれWebGLはCanvas 3D Contextとして標準化されるでしょう。

そうなることで、Webブラウザは画面上に2Dと3Dを描画するためのAPIが揃うことになります。Webブラウザの描画能力がますます豊かになっていくことは間違いなさそうです。


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タグ : Google , HTML5 , JavaScript , Web標準

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