Dockerが手放した「Docker Enterprise」が、Mirantisから「Docker Enterprise 3.1」として登場

2020年6月16日

Docker社は、それまで自社製品として企業向けに販売していたコンテナ基盤ソフトウェア「Docker Enterprise」と関連ビジネスを、2019年11月にMirantisに売却しました。

そしてDocker社は現在、Docker DesktopとDocker Hubを中心としたデベロッパー向けツールにフォーカスしています。

参考:Docker社が新戦略を明らかに。Docker Desktopの拡張によってコンテナ開発を容易に、Docker Hubを開発エコシステムの中核にすると

一方のMirantisは、もともとOpenStack専業のシステムインテグレータとして登場し、その後もクラウド基盤構築を中心とするビジネスを展開。そのMirantisが5月末、Dockerから買収した製品群を「Docker Enterprise 3.1」としてリリースしました

Docker Enterpriseは、DockerのコンテナエンジンやDockerレジストリ、オーケストレーションツールであるKubernetes、サービスメッシュのIstio、周辺ツールや管理ツールなどを含む統合的なコンテナ実行基盤です。

最大の特徴は、このコンテナ実行基盤をオンプレミスのベアメタルサーバやVMware環境、OpenStack、AWS、Microsoft Azure、Google Cloudなどの上に展開でき、統合管理可能なマルチクラウド/ハイブリッドクラウド環境を実現できる、という点にあります。

Docker Enterpriseによって、その下のレイヤにあるクラウドやオンプレミスは抽象化されるため、特定のクラウドなどに依存することなく、コンテナ実行環境を構築し運用できるようになります。

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今回リリースされたDocker Enterprise 3.1では、Kubernetes 1.17を採用したことにより、ノード間の通信などを行う際に同一ラック内や同一障害リージョンなどを意識することで、効率の良いルーティングを実現する「トポロジー対応ルーティング」や、Podの配置条件などを設定できる「Podコロケーション/アフィニティ」機能、IPv4/IPv6デュアルスタックなどをサポート。

参考:Kubernetes 1.17正式版が登場。クラウドプロバイダーを示すラベルが正式版、ボリュームスナップショットがベータ版に

さらにWindowsワーカーのサポート、GPUノードのサポートにより機械学習のようなワークロードをGPUノードに割り振る機能なども追加されました。

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Junichi Niino(jniino)
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