Cloudflare、新サーバ群にAMD EPYC第二世代プロセッサを全面採用。サーバ市場で存在感を取り戻しつつあるAMD

2020年3月2日

CDNベンダのCloudflareは、世界中のさまざまな場所にアクセスポイントとなるエッジロケーションを設置しています。

エッジロケーションはそれぞれある程度の規模のデータセンターになっており、ユーザーからのコンテンツに対するリクエストに返答するWebサーバだけでなく、DDoS攻撃などに対応するためのファイアウォールや、エッジでインテリジェントな機能を実現するためのプログラムを実行するワーカーなどの処理に対応できるように多数のサーバが配置されています。

このエッジロケーションに配置するための最新サーバ、同社にとっての第10世代サーバとして、同社はこれまでインテル製を採用していたプロセッサ、メインボード、メモリ、ストレージ、ネットワークカードを入れ替え、AMDの第二世代EPYCプロセッサのシステムを全面的に採用したことを明らかにしました。

CloudflareのようなCDNベンダにとってエッジロケーションでは、大量のデータを入出力するようなI/O処理の能力よりも、プロセッサの能力の方が重視されるとのことです。

同社ではインテルのXeonとAMDの第二世代EPYCをベンチマークで比較した結果、同社が重視するワークロードにおいては第二世代EPYCの方が優れていると判断。採用を決断しました。

ベンチマークは、データの暗号化、圧縮、正規表現、LuaJITなどの処理と、典型的なリクエストのパターンなどを用いて、1ワットあたりの処理能力で比較。

採用したのはAMD EPYC 7642プロセッサ。シングルソケット構成で2.4GHz、48コア(96スレッド)、256MBのL3キャッシュ。

ベンチマークの結果について具体的なことは明かしていませんが、1つ前の世代のインテルサーバとの性能差については「Technical Details of Why Cloudflare Chose AMD EPYC for Gen X Servers」で次の用に説明しています。

Compared with our prior server (Gen 9), our Gen X server processes as much as 36% more requests while costing substantially less. Additionally, it enables a ~50% decrease in L3 cache miss rate and up to 50% decrease in NGINX p99 latency, powered by a CPU rated at 25% lower TDP (thermal design power) per core.

前世代(Gen9)と第10世代(Gen X)サーバを比較すると、Gen Xサーバーはコストを大幅に削減しつつ、36%も多くのリクエストを処理。さらに、L3キャッシュミス率を最大50%削減、NGINX p99レイテンシを最大50%削減、これをコアあたりのTDP(熱設計電力)が25%低いCPUで実行します。

さらにAMD EPYCにはほとんど性能劣化を引き起こさずにメモリ全体を暗号化する Secure Memory Encryption(SME)がシステムオンチップとなっている点も採用理由として挙げています。

第二世代EPYCの採用はCloudflareだけでなく、AWS、Microsoft Azure、Googleなど主要クラウドベンダでも第二世代EPYCプロセッサを採用したコストパフォーマンスの高いインスタンスの提供を始めています。

AMDはここ数年、サーバ市場での存在感をほとんど失っていました。しかし第二世代EYPCの登場によって明らかにそれを取り戻しつつあるようです。

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Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
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