MariaDB Server 10.3/MariaDB TX 3.0リリース。Oracle Database互換機能を搭載し、同じデータ型やPL/SQLのストアドプロシジャをサポート

2018年5月30日

MariaDB 10.3と、それをコアとするMariaDB TX 3.0がリリースされた。新機能としてOracle Database互換機能を搭載したのが目玉だ。今後もMariaDBはエンタープライズ向けに強化されていくと見られる


MaridaDBは、オープンソースで開発しているリレーショナルデータベースの最新版「MariaDB Server 10.3」の正式リリースを発表しました。

同社は同時に、MariaDB Server 10.3をコアデータベースとし、MariaDB ClusterやMariaDB MaxScale、MariaDB Connectorなどの周辺ツールを統合した「MariaDB TX 3.0」の正式リリースも発表しています。

MariaDB 10.3最大の特徴はOracle Database互換機能

MariaDB 10.3における最大の新機能は、Oracle Database互換機能です。Oracle互換のシーケンス手順(Oracle-compatible sequences)、Oracle Databaseと同一のデータ型をサポートし、PL/SQLで記述されたストアドプロシージャも実行可能になっています。

また、Oracle FlashbackクエリやマイクロソフトのSQL ServerのTemporal Table(テンポラルテーブル)などが備える、テーブル内のデータの変更内容をすべて記録しておき、いつの時点のテーブルの状態でも取り出すことができるTemporal 機能も搭載。

さらにMariaDB TX 3.0では標準のストレージエンジンであるInnoDBに加えて、フラッシュストレージの利用に適したストレージエンジンの「MyRocks」、そしてデータを分割して複数のサーバでの分散処理を実現する大規模システム向けの「Spider」ストレージエンジンの2つも正式版として利用可能になりました(ちなみにMyRocksの開発者は松信嘉範氏、Spiderの開発者は斯波健徳氏)。

MariaDBはエンタープライズ市場向けに強化されていくことに

MariaDB TX 3.0の発表に当たり、MariaDB社はプレスリリースのタイトルとして「MariaDB TX 3.0 Delivers First Enterprise Open Source Database to Beat Oracle, Microsoft and IBM」(Maria DB TX 3.0はオラクル、マイクロソフト、IBMに対抗する最初のエンタープライズ向けオープンソースデータベースとして提供される)と、既存の商用データベースへの対抗心を隠すことなく示しています。

そしてこのプレスリリースにおいて、Oracle DatabaseからMariaDBへ移行した事例としてシンガポール開発銀行が紹介されました。

Development Bank of Singapore (DBS), as a result of its collaboration with MariaDB on Oracle compatibility, has been able to migrate more than 50 percent of its mission-critical applications in just 12 months from Oracle Database to MariaDB.

シンガポール開発銀行では、MariaDBのオラクル互換機能により、同銀行のミッションクリティカルなアプリケーションの50%以上が12カ月でOracle DatabaseからMariaDBへ移行可能であった。

MariaDBは2010年にMySQLのフォークとして登場し、MySQL互換データベースとして利用されてきたといえるでしょう。しかしMariaDB社としてはMariaDBを単なるMySQL互換データベースという位置づけではなく、Oracle DatabaseやSQL Serverなどに対抗するエンタープライズ向けの製品としてMariaDBおよび関連製品を強化、訴求していく方針のようです。

それは今年3月に分析用データベースのMammothDBを買収し、エンタープライズ向けのラインナップ強化に務めていることから見ても間違いないことだろうと思われます。

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