アジャイル開発についてCIOが知るべき10のこと、ガートナーが解説

2015年7月7日

米調査会社のガートナーは、「アジャイル開発についてCIOが知るべき10の事柄について」を発表しました

Gartner Highlights 10 Things CIOs Need to Know About Agile Development

企業の多くがデジタルビジネスのプレッシャーを受ける中で、従来の開発プロセスは現在の状況に合わなくなってきているとガートナーは指摘しており、それゆえにアジャイル開発が注目されているとのことです。

イノベーションのための取り組みの要素の1つとしてアジャイル開発はCIOにとって欠かせないものとなっており、そうしたCIOへのアドバイスとして、ガートナーは次の10項目をあげています。以下はポイントだけを要約しています。

その1:アジャイル開発は1つではない
(No. 1: Agile is not one thing)

アジャイル開発の方法論には複数ある。それぞれがよく知られており、かつとても具体的なソフトウェア開発方法論だ。まずはその中から1つを選び、組織に適用することだ。

その2:アジャイル開発は「好みで選んで組み合わせる」方法論ではない
(No 2: Agile is not a "pick'n mix" methodology)

アジャイル開発の方法論はきわめてシステマティックであり、それぞれの要素はどれも成功に欠かせないものだ。よくある間違いは、こうした要素のいくつか、たとえばスプリントだけを取り上げてほかは無視や軽視してしまうことだ。

その3:アジャイル開発の適用とはITにおける連携活動だ
(No. 3: Embracing agile is a joint business-IT activity)

アジャイル開発の良さを引き出すには、ビジネスリーダーや管理職、ユーザーコミュニティなどとの連携なしには実現しない。

その4:アジャイル開発では、走り出す前に歩くことが大事だ
(No. 4: With agile, it is important to walk before you try running)

アジャイル開発の経験が豊富ならば大規模開発に挑戦できるだろうが、これからアジャイル開発を始めるのならば、まずは足下をしっかり固めるところからだ。

その5:アジャイル開発をするとは学び続けることである
(No. 5: Embracing agile is embracing continuous learning)

アジャイル開発の実践者は、つねに品質やコスト効果を改善し続ける約束をしなければならない。すなわち、開発することはつねに改善のための分析を伴うことになる。

その6:アジャイル開発とはチームでありチームでありチームである
(No. 6: Agile is about teams and teams of teams)

アジャイル開発においてデリバリを行うのは5人から8人程度の基本的に小さなチームだ。この中で開発から品質管理まで行うし、チーム自身が良いものになるような管理も自分たちで行う。

その7:ドキュメント化、技術的負債の管理と排除がすべてのアジャイル開発方法論の核心だ
(No. 7: Documenting, managing and eliminating technical debt is a core concept of all agile methods)

どんな開発でも技術的負債は避けられない。アジャイル開発が違うのは、それを見ないふりするのではなく、対策を確実にバックログとして積んでいくことだ。

その8:外部企業の開発者との協業をアジャイル開発で行うには、特別な注意が求められる
(No. 8: Working with third-party development service providers on agile development demands special care and attention)

その9:アジャイル開発が与える影響は、ソフトウェア開発チームという枠組みを超え広がる
(No. 9: The impact of agile goes well beyond the software development teams)

その10:アジャイル開発以外の方法論にも有効な場面が存在する
(Other software development methodologies will still have a place in your portfolio)

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Junichi Niino(jniino)
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