モバイルBaaSのStackMobが5月でサービス終了を発表。買収されたPayPalのモバイル強化へ注力
モバイル向けのバックエンドサービスとして知られるStackMobは、2014年5月11日ですべてのサービスを終了し、あわせてStackMobのブランドも消滅することを明らかにしました。発表から引用します。
The StackMob Platform will cease operation on Sunday May 11th, 2014. Customers will no longer have access to their StackMob accounts and this serves as our notice of termination of our agreement with you.
StackMobプラットフォームは2014年5月11日日曜日をもって運用を終了します。それ以後、お客様は契約書の終了条項に基づきStackMobのアカウントやサービスにアクセスできなくなります。
サービス終了にあたり、同社はデータのエクスポートを公開し、CSVフォーマットでStackMob内に保存してあるデータをダウンロード可能にしています。
今後はPayPalのモバイル対応に注力
StackMobは、モバイル向けのBaas(Backend as a Service)として、REST API経由でスケーラブルなオブジェクトストレージやユーザー認証、プッシュ通知といったサービスを提供してきたベンダの1つです。
BaaSの分野では、ParseやCocoafishなどとともに知名度の高いサービスでしたが、ParseはFacebookが買収、CocoafishはAppceleratorが買収し、このStackMobも昨年PayPalに買収されています。しかしParseとCocoafishは現在もサービスが継続、強化されているのに対し、StackMobはサービス停止と発表と、買収後の明暗が分かれた形になりました。
StackMobのチームは、今後の開発リソースをすべてPayPalのモバイル強化に注力するとのことです。
PayPalはインターネット時代に登場した決済サービスですが、今後はモバイルデバイスの普及によって決済の場面がさまざまなモバイルデバイスとともに広がっていくことが確実視されており、急速にモバイル対応を強化しています。
同社はStackMob以外にもモバイル技術を備えた企業の買収を行っており、StackMobの買収も、StackMobのサービスや顧客の獲得よりもモバイル開発の経験豊富なエンジニアの獲得が目的だったようです。
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