オラクルのクラウド戦略が見えてきた。SaaS/PaaS/IaaSの全レイヤを、パブリックとオンプレミスの両方で提供。Oracle OpenWorld 2012

2012年10月1日

米オラクルのクラウド戦略の全体像が見えてきました。ひとことで言えば、顧客のIT環境をすべてクラウド化し、オラクルが提供する、というもの。

オラクルは、ハードウェア、OS、ミドルウェア、アプリケーションのすべてのレイヤを提供する企業です。その強みを活かし、クラウドもオンプレミスも区別なく、オラクルがハードウェア、OS、ミドルウェア、アプリケーションのすべてを互換性をもって提供する。顧客は好きな場所とレイヤを選べるようになります。

そのためにオラクルは今回のOracle OpenWorld 2012でIaaS型クラウドを発表。SaaS、PaaS、IaaSのレイヤすべてのクラウドサービスを揃えました。と同時に、全く同じ機能がオンプレミスで使える「Oracle Private Cloud」も発表。オンプレミスながらも月額課金で使えるプライベートクラウドです。

クラウドと全く同じ環境をオンプレミスでも提供し、あらゆるレイヤでの互換性を実現。これがオラクルのクラウド戦略の根幹をなす考え方です。

Oracle OpenWorld 2012から、ラリー・エリソン氏がクラウドについて発表する部分を紹介します。

クラウドの優れている点はユーティリティモデル

米オラクル、ラリー・エリソンCEO。クラウドコンピューティングの話をしよう。

fig

クラウドコンピューティングの優れているところは、ユーティリティモデルであるところだ。電力がユーティリティであり、一般消費者はシンプルなインターフェイスを使ってプラグインで使える。

fig

クラウドは非常にポピュラーになり、2011年にはオラクルもクラウドを発表した。私たちはFusion Middlewareを拡張してまずPaaSを作り、その上にCRM、ERPなどのFusion Applicationsを構築してSaaSを提供した。

多くの人はクラウドが、伝統的なオンプレミスを置き換えるものだと真剣に考えるようになった。そこにはSaaS、PaaS、そしてIaaSも含まれる。

IaaS型クラウドの発表

Oracle CloudはIaaSを提供すると、ここで発表する。カスタマはSaaS、PaaSだけでなく、既存のアプリケーションをIaaSを使ってクラウドへ移行できる。

fig

SaaS、PaaS、IaaSの3つのティアにおいて、それぞれ私たちはSAPに次いで世界でNo2のアプリベンダであり、No1のデータベースやミドルウェアなどのプラットフォームベンダであり、そして有力なサーバ、ストレージなどのハードウェアベンダである。3つのティアすべてに投資している。

オラクルが保有し、管理するプライベートクラウド

そして、このIaaSをファイウォールの内側で自分のデータセンターとして使える、Oracle Private Cloudを発表する。

fig

これはインフラをオラクルが保有し、管理やアップグレードも行う。そしてカスタマは使った分だけを月額で支払えばいい。

Oracle Private CloudはOracle Cloudの拡張であり、両者には何の違いもない。普段の業務をOracle Private Cloudで行い、Oracle Cloudをスタンバイデータベースやディザスタリカバリに使える。同じインフラ、同じ仮想マシン、同じプラットフォームサービスなのだ。

fig

Oracle OpenWorld 2012

Tags: クラウド IaaS Oracle

このエントリーをはてなブックマークに追加
ツイート
follow us in feedly





タグクラウド

クラウド / AWS / Azure / Google Cloud
コンテナ / Docker / Kubernetes
クラウドネイティブ / サーバレス
クラウド障害 / 運用・監視

プログラミング言語 / 開発ツール
JavaScript / Java / .NET / WebAssembly
HTML/CSS / Web標準

アジャイル開発 / スクラム / DevOps / CI/CD
ソフトウェアテスト・品質
ローコード/ノーコード開発

データベース / RDB / NoSQL / 機械学習・AI
Oracle Database / MySQL / PostgreSQL
Office / 業務アプリケーション

ネットワーク / HTTP / QUIC / セキュリティ
OS / Windows / Linux / VMware
ハードウェア / サーバ / ストレージ

業界動向 / 働き方 / 給与・年収
編集後記 / 殿堂入り / おもしろ

全てのタグを見る

Blogger in Chief

photo of jniino

Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
詳しいプロフィール

Publickeyの新着情報をチェックしませんか?
Twitterで : @Publickey
Facebookで : Publickeyのページ
RSSリーダーで : Feed

最新記事10本