Chromeの最新JavaScriptエンジン「Crankshaft」、「Chrome Sync」であらゆるChromeを同期、グーグルが発表。Chrome Event

2010年12月13日

グーグルは12月7日、同社のWebブラウザであるChromeに関するイベントを開催、WebブラウザとしてのChromeの最新動向、そしてChrome Web StoreとChrome OSの発表を行いました

最新のChromeではアダプティブコンパイリング技術を採用したJavaScriptエンジンの「Crankshaft」を採用してさらに高速になり、複数のChrome間で同期を行い同じ環境を提供するChrome Syncなどを提供。

さらにChrome向けアプリケーションマーケットである「Chrome Web Store」のオープンと、コンシューマ向けのOS「Chrome OS」のデモも公開されました。イベントの内容を紹介していきましょう。

最新エンジン「Crankshaft」を搭載

グーグル、Vice President of Product ManagementのSundar Pichai氏。

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今日は3つの発表を行う。Chrome、Chrome Web Store、そしてChrome OSについてだ。

まずはChromeから。Chromeは、それまでドキュメント中心のシンプルなページを表示することが主な用途だったWebブラウザではなく、Webアプリケーションを実行することを目的としたWebブラウザとして開発された。

Chromeは、スピード、シンプルさ、セキュリティの3つに特にフォーカスしてきており、すでに1億2000万ユーザーに達した。

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こうした成長を支えている要因の1がスピードへのフォーカスだ。

グーグルのWebサイトの検索窓には、Ajaxを用いてキーが押されるたびに反応して検索結果が表示されるリアルタイム検索機能が組み込まれたが、同じようにChromeのOmniバーからもリアルタイム検索ができるようになった。非常にスピーディだ。

また、最新のChromeではPDFリーダーを内蔵した。PDFファイルのリンクをクリックすると一瞬で表示されるようになった。

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ChromeとともにJavaScriptエンジンのV8をリリースした2008年当時から、V8はもっとも高速なJavaScriptエンジンであり、それ以来ずっと改善を続けてきた。

そして最新のCrankshaftではアダプティブコンパイリング技術を採用し、最初のバージョンと比べて58倍速くなった。Webをさらに速くするテクノロジーだ。

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そしてシンプルさ。Chromeは単にUIがシンプルなだけではなく、モーダルダイアログがなく、つねに面倒な操作不要で最新の状態にアップデートされており、利用者はWeb体験に集中することができる。

そして今日、新たに追加するのが、どこでも同じChrome体験を得ることができる機能「Same Chrome Experience Everywhere」だ。

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メニューから「Chrome Sync」をオンにすると、ブックマーク、テーマ、エクステンション、アプリケーションなどのすべてがマシンに依存することなく、どのChromeでも同じように同期するようになる。

3つ目がセキュリティ。Chromeは自動アップデート機能でつねに最新の状態を守っている。さらにサンドボックスモデルを採用し、ブラウザはつねに守られていてキーボードなどを読まれることもない。モダンブラウザの中でChromeだけが本当のサンドボックス機能を備えている。

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Chrome Web Storeがオープン

次は「Chrome Web Store」の紹介に移ろう。

ユーザーがアプリケーションを見つけるというのは手間のかかることだった。例えば面白いゲームを探そうとしても、どこにレビューがあるのか、どこに面白いゲームがあるのかを探すのは面倒だ。

Chrome Web Storeでは、そうしたユーザーとデベロッパーをつなぐ役割を果たす。

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これがChrome Web Storeの画面だ。ここからアプリケーションを選んで立ち上げるまでの手順はとても簡単である。面白そうなアプリケーションを選ぶ。

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詳しい紹介やユーザーレビューなどを見たら「Buy and Install」ボタンを押す。

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するとGoogle Checkout画面へ移行するので、サインインして支払いボタンを押す。

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これで自動的にアプリケーションがChromeにインストールされ、すぐに起動できる状態になる。

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支払いにはサブスクリプションも用意され、定期的な支払いにも対応する。

ニューヨークタイムズもChrome Web Storeに対応する予定だ。HTML5/JS/CSS3で開発されたインタラクティブな紙面をChromeから参照することができるようになる。

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Chrome Web Storeは今日オープンだ。ぜひ試してほしい。

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次のChrome OSの発表に関する記事「60秒で設定が終わるChromeノートブック、HTML5のオフラインに対応するGoogle Docs。グーグル、Chrome Eventで発表」に続きます。

Tags: Web技術 Chrome Google Webブラウザ

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Junichi Niino(jniino)
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